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「笑点」、高視聴率の秘密は、株式会社笑点にあり

新社長・春風亭昇太さんは「さん」「くん」付けで悩んだ?

矢部万紀子 コラムニスト

 ある日、家に帰ってテレビをつけたら林家木久扇さんと林家たい平さんが絵を描いていた。三遊亭円楽さんやら三遊亭好楽さんやらも出ているから、あ、「笑点」の番宣ね、と思ったけど、ちょっと違和感。あれあれ、アナウンサーが安住紳一郎さんではないですか。ってことは、TBS。えっ?

 で、新聞のテレビ欄を見たところ、「ぴったんこカン★カン」でした。TBSの人気長寿番組。林家三平&国分佐智子夫妻の妊娠報告や吉田羊さんによる昇太師匠豪邸訪問があると書いてある。

 つまり、TBSが日本テレビの看板番組「笑点」の人気にのっかって、自分とこの番組を作ってしまっているわけで、大胆だなー、それはさておき昇太さんの豪邸見たいなーと思いながら、最後まで見たけど、豪邸コーナーは終わった後だったようで、見られなかった、残念。

6代目の司会に決まった春風亭昇太さ拡大6代目の司会者、春風亭昇太さん(中央)
 というわけで、「笑点」がすごいことになっている。

 視聴率も20%超えを連発、日経MJの2016年上期のヒット番付では若冲展などと並んで、前頭に選ばれていた。かくいう私も、このところ「笑点」から目が離せない。

 もともと落語は好きで、この10年ほど落語会にはよく足を運んでいる。

 春風亭昇太さんは贔屓のひとり。だけど「笑点」を見ることはあまりなく、昇太さんが独演会でのトークなどで、「『笑点』が特に高視聴率になるときは、条件があるんですよ。出演者の誰かが病気で休んでいるときか、日本人力士が弱いとき」なーんて話しているのをワハハと聞いているだけだった。

サラリーマンは「笑点」が好き?

 だから桂歌丸さんが「5月に『笑点』の司会を引退する」と発表したと聞いてからも、別に興味は持っていなかったのだが、気づいたことがあった。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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