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 前回は痴漢問題がいかに社会悪として扱われていないかについて見てきましたが、そもそも痴漢はなぜ社会悪として認知されていないのでしょうか? これにもまた様々な偏見が影響していると考えられます。

女の幸せは男に選ばれることという偏見

 連載第1回でも第2回でも触れましたが、痴漢の被害を訴えても「女として見られたってことじゃん!」と、犯罪に遭うことが名誉であるように捉える人がいます。

埼玉県内の駅などに貼られている今年度の痴漢犯罪防止ポスター。原画は県内の高校生が描いた拡大埼玉県内の駅などに貼られている2016年度の痴漢犯罪防止ポスター。原画は県内の高校生が描いた
 ですが、先述したように、たとえば、強盗に遭った被害者に対して、「お金持ちって見られたってことじゃん!」「それ、自分がお金持ちという自慢?」なんて返答をするでしょうか? もちろんそんなことを言う人はほとんどいないでしょう。

 痴漢等を始めとする性犯罪の場合に限ってそのように評価するのは、「女性の幸せは男性に女として評価されることだ」という偏見が社会一般の間であるからです。男性にチヤホヤされることが女性の幸せであると考えているから、女性が性的に見られる(性の対象になる)行為が名誉のように感じてしまうのです。

 「女性は“クリスマスケーキ”のようなもので、25歳超えても独身のままであれば売れ残り」と言われた時代から脈々と続いていますが、独身女性は「男性に選ばれていない不幸者」と見る人はいまだに少なくありません。

 性的な面でも同様に、「男性に評価されることがこの上ない女性の幸せである」という偏見が、いまだに社会に根付いてしまっています。このように、性的客体になることをプラス要素として考えているために、暴力の客体になるというマイナス要素が見えなくなっているのです。

不特定多数からの性的な視点

 また、痴漢されることが「ステータス」

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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