2016年09月16日
前回は痴漢問題がいかに社会悪として扱われていないかについて見てきましたが、そもそも痴漢はなぜ社会悪として認知されていないのでしょうか? これにもまた様々な偏見が影響していると考えられます。
連載第1回でも第2回でも触れましたが、痴漢の被害を訴えても「女として見られたってことじゃん!」と、犯罪に遭うことが名誉であるように捉える人がいます。
痴漢等を始めとする性犯罪の場合に限ってそのように評価するのは、「女性の幸せは男性に女として評価されることだ」という偏見が社会一般の間であるからです。男性にチヤホヤされることが女性の幸せであると考えているから、女性が性的に見られる(性の対象になる)行為が名誉のように感じてしまうのです。
「女性は“クリスマスケーキ”のようなもので、25歳超えても独身のままであれば売れ残り」と言われた時代から脈々と続いていますが、独身女性は「男性に選ばれていない不幸者」と見る人はいまだに少なくありません。
性的な面でも同様に、「男性に評価されることがこの上ない女性の幸せである」という偏見が、いまだに社会に根付いてしまっています。このように、性的客体になることをプラス要素として考えているために、暴力の客体になるというマイナス要素が見えなくなっているのです。
また、痴漢されることが「ステータス」
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