不適切な市役所の対応と適切な8つの謝罪要素
2016年10月24日
前回と前々回に引き続き、うなぎをスクール水着少女で擬人化した鹿児島県志布志市のふるさと納税のCMが大きな批判を受けた問題を取り上げて行きたいと思います。
志布志うなぎ少女CMで見えた差別の根深さ(上)――市役所の感覚は「少女=養殖」なのですか?
志布志うなぎ少女CMで見えた差別の根深さ(中)――差別を受け手の問題と不快の問題に矮小化するな
そこで今回は、市役所の対応の問題点を指摘すると同時に、こうした炎上の際の適切な謝罪方法について提示したいと思います。
まず、志布志市は「謝罪」をしていません。もちろん形式上は謝ってはいます。ですが、「謝罪」とは本来「罪を謝る」ことなのです。今回のケースでは、性差別かつ小児性愛的な創作物を行政機関が広報として使用したことがまず「罪」と言えるでしょう。
ところが、市側が用いた表現は「不愉快にさせてしまったから」「不愉快に思う人がいたから」であり、そのような二次的な現象について謝るのは「罪を謝った」とは言えません。「HIS×東大美女」の企画が中止になった際の記事でも指摘したことですが、この「なんちゃって謝罪」のことを英語では「Non-apology apology」と言います。案の定、インターネット上では、それについて知る人々から「それは謝罪ではない」という声があがっていました。
次に、これもよくあるケースですが、差別だという非難があがっていることに対して、「差別の意図はない」と回答したこともさらなる非難の的となっています。
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