「文春砲」に対抗した(?)『週刊現代』医療特集の反響
2016年11月03日
2016年は、週刊誌の歴史に残る年かもしれない。1月から『週刊文春』のスクープ連発が始まり、「文春砲」という呼び方で今もそれは続いている。
ライバルの『週刊新潮』もそれに対抗せんと健闘している。一方、『週刊現代』『週刊ポスト』の2誌は、それと異なる路線にますます傾斜している。つまり木曜発売の事件ものに強い2誌と、事件ものはあまり扱わず高齢者向けの企画ものに力を入れる月曜発売の2誌とに、週刊誌が大きく2つの方向に分かれたのだ。
もともと事件ものは週刊誌の得意とする分野だったのだが、取材費用がかかる割に、それによって部数を伸ばすことがないために、部数減によるコストカットに迫られる週刊誌は、かつてのように事件ものを扱わなくなりつつある。『週刊文春』などは、それを認識しつつも、それでもやると方針を決めてやっているわけだが、他誌はなかなかそうもいかなくなっているのだ。
それに影響を与えたのは、2015年秋に編集長が交替した『週刊現代』が、高齢者向け企画にさらに軸足を置いた誌面にシフトさせたところ、実売部数が伸びて、昨年後半、『週刊新潮』を抜いたらしいという現実だ。
つまり事件ものやスキャンダル路線で定評を得た『週刊文春』と、それと対照的に高齢者向け実用情報重視を重視する『週刊現代』が、それぞれ部数を伸ばしているのだ。
もちろん伸ばしているといっても、『週刊文春』の独走はいまや圧倒的で、2位の『週刊現代』との差は大きい。しかし、コストパフォーマンスという点では『週刊現代』の健闘も、業界で注目されているのは確かだ。
さて、その『週刊現代』が昨年来、どういう誌面になっているかというと、これがなかなかすごい。
以前はライバル誌『週刊ポスト』と競い合うように「高齢者のSEX」を毎号取り上げていたが、それに代わってこの半年ほどは健康・医療問題に大きくシフト。ほとんど健康雑誌のようになってしまったのだ。
「週刊現代」「週刊ポスト」の高齢者セックス特集をまじめに考える(WEBRONZA)
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