セクションの再編成とロジスティックを備えれば、「万年三流映画祭」から抜け出せる
2016年11月09日
実は今年初めて、東京国際映画祭のコンペ16本をすべて見た。今年から朝日新聞が「メディアパートナー」になったこともあって、朝日新聞デジタルで「星取表」を担当したから。全作品に1個から5個までの星をつけたが、その過程で見えてきたことがあった。
一番驚いたのは、今年のコンペが若手中心だったこと。初長編が5本もあり、ほかは邦画も含めて、3~5本目が多い。なんだ「若手映画祭」だったのかと初めてわかった。邦画に関しては、矢田部吉彦ディレクターが「新人の時期を過ぎ、次のステージを狙える監督」と語っていたが、外国の映画もそんな感じ。
とはいえ、去年(2015年)はベテラン小栗康平監督の『FOUJITA』が出ていたわけだから、よくわからない。
世界の映画はいまやカンヌ国際映画祭を中心に動いている。それから漏れた作品はロカルノ、ベネチア、トロント、釜山などを狙う。その後の東京は、本当に「残りもの」しか残っていない。
当然、有名監督の映画は失敗作でも出品済みで、結果として無名の若手から選ぶしかないのだろう。そんな苦しい事情が感じられる。
いっそのこと、やはり「東京国際若手映画祭」にしたらわかりやすいのだが、そうすると国際映連の国際映画祭の「ジャンルなし」という第一カテゴリーからはずれてしまう。だから明示せずにこっそりと若手を選んでいるのが現状か。
私の知っている外国人ジャーナリストたちは、日本映画を中心にアジア映画を数本見る。欧米や中近東、中南米の映画は「残りもの」だと知っているから。それではコンペをやる意味がない。
解決法は簡単で、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください