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男性キャストが女子高生を真剣に可愛く

【公演評】『DAISY PULLS IT OFF』、ド直球の青春コメディ

岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター


拡大『DAISY PULLS IT OFF』公演から、Shinyチーム=劇団スタジオライフ提供

【インタビュー】女子高生役を演じる笠原、曽世、岩﨑×演出・倉田淳

 劇団スタジオライフが、英国のお嬢様女学院を舞台にした青春群像劇『DAISY PULLS IT OFF』を上演中だ。オールメールのキャストが、女子高生を演じるというギャップに大いに笑わされながら、次第に個性あふれる女子高生たちの友情と成長に引き込まれていくウェルメイドな一作だ。ベテランの技が際立つMysticチームと、若さ弾けるShinyチーム、両チームの初日の模様をお届けする。

 英国の名門校“グレンジウッド女学院”の学園祭で、演劇『DAISY PULLS IT OFF』が上演される。その物語は、女学院初の奨学生として入学する公立校出身のデイジー(笠原浩夫/宇佐見輝)が主人公。彼女は親友のトリクシー(山本芳樹/月岡弘一)や、ホッケー部のキャプテンである憧れの先輩クレア(曽世海司/石田知之)らに囲まれて、順風満帆の学園生活がスタートするかに思われた。ところが、同級生のシビル(岩﨑大/久保優二)やモニカ(藤原啓児/松村泰一郎)のいやがらせや、学園の秘宝探しなど、さまざまな出来事に巻き込まれてしまい……。

 本作はアンドリュー・ロイド=ウェバーがプロデュースし、ローレンス・オリビエ賞年間最優秀コメディ賞(Comedy of the Year)を受賞した英国の人気舞台。スタジオライフによる翻訳上演は2003年、2007年に続き、今回が3度目となる。スタジオライフといえば、代表作『トーマの心臓』をはじめとする耽美でシリアスなドラマが真骨頂というイメージがあるが、コメディも得意としていることがつぶさにわかる一作だ。

拡大『DAISY PULLS IT OFF』公演から、Mysticチーム=劇団スタジオライフ提供

 ほぼ全編にわたって繰り広げられる、好奇心旺盛な女子高生たちの会話と動きのテンポがいい。膨大なセリフの応酬で小気味よいリズムを刻みながら、登場人物と演じる役者の個性のマッチングを生かした笑いを次々と投下し、物語の肝になるホッケーシーンでは客席を巻き込んで白熱の試合を披露する(ちなみに文化系と思われがちな彼らだが、体を鍛え抜くトレーニングをすることで有名で、他の作品でもアクションやダンスの切れ味に定評がある)。そして、意外や(失礼!)女子として“ちゃんと可愛い”うえに、最後には健気で純粋な少女たちの姿にうっかり泣かされてしまうのだから反則だ。

1+1が3にも4にもなる、なんともオイシイ作品

 本作は、初演や再演に出演経験のあるベテラン勢を揃えたMysticチームと、入団数年の若手劇団員と客演を多くキャスティングしたShinyチームと、明確にコンセプト分けされた2チーム編成。随所に役者自身がセリフや芝居を考えるフリーの場面を設けているため、それぞれのキャストの個性を生かした笑いどころがふんだんだ。両チームを見ると、そこでそう来るか!と意外な場面が笑えたり逆にグッときたりと、1+1が3にも4にもなる、なんともオイシイ作品なのだ。

◆公演情報◆
劇団スタジオライフ
『DAISY PULLS IT OFF』
2016年12月1日(木)~18日(日) 東京・新宿シアターサンモール
[スタッフ]
原作:デニス・ディーガン
演出:倉田淳(劇団スタジオライフ)
公式ホームページ

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筆者

岩橋朝美

岩橋朝美(いわはし・あさみ) フリーエディター、フリーライター

映画関連のムック・書籍の編集に携わった後、女性向けWEBメディア・Eコマースサイトのディレクションを担当。現在はWEBを中心に、ファッション・美容・Eコマースなど多様なコンテンツの企画、編集、取材、執筆を行う。また、宝塚やミュージカルを中心とした舞台観劇歴を生かし、演劇関連の取材や執筆も行う。

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