岩村美佳(いわむら・みか) フリーランスフォトグラファー、ライター
ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。現在、演劇分野をメインにライターとしても活動している。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
日本初演、ミュージカル『フランケンシュタイン』出演
――この場を使っていただいて、お互いに聞きたいことはありますか?
加藤:いつも思っているんですが、声帯はどうなっているのかなと。教えていただいている先生は同じなので、トレーニングなどは想像できるんですが。
中川:楊(淑美)先生ね!
加藤:日頃のケアとか、何か……。今回、盗めるだけ盗みたいというか、ご教授願いたいです。
中川:それは、もう、職人の手みたいな……最近知ったのですが、日本の昆布を削ってとろろ昆布を作っている人間国宝の方がいるんですよ。
加藤:へぇ!
中川:鉋(かんな)で綺麗に削るんですけど、それを食べたらトロケルし、薄さが機械レベルじゃないんですよ。そして、その方の体を見ると、昆布を削るための体になっているんです。まさに職人なんです。僕もすぐに得られたものではないですし、まだまだ自分で葛藤しています。そうだなぁ、水泳はもちろん大事だと思っているし、バランスの取れた食事と……。何、これおじいちゃんの会話!?
全員:(爆笑)。
加藤:中川晃教さんの話です!
中川:そんなこと知りたい!?
加藤:知りたいです!
中川:(笑)。そういうことの積み重ね。そして、やっぱりひとりでは得られなくて、声に関しては楊先生という恩師がいます。でも、一番は可能性を広げてくれる人達との出会いを絶対に受け入れるということじゃないかな。受け入れるというと上目線過ぎるんだけれど、決して否定からではなく、すべて肯定からだよね。それを和樹くんは持っていると思っていて、素晴らしいと思うの。
加藤:とりあえずやりたいと思ったらやるタイプなので。
中川:しかも、そこに変な主観を持ち込まないじゃない?
加藤:あまり頓着がないです。
中川:逆に、頓着を持ったらすごいよね。逆に僕は、頓着をミュートしようと思っていても、どこかでやっぱり自分というものがあるんですよ。その頓着を出した方が効率よく現場が進む場合、もしくは面白くなる場合があるから、ミュートを切る瞬間と、ミュートする瞬間を冷静に持っていなくてはいけないなと思っています。それをすごく自然にできている人だなと思う。今やっていることが引き出しから出たときに、シーンを引っ張っていく人間としての力みたいなものが出るんじゃないかと感じますね。
◆公演情報◆
ミュージカル『フランケンシュタイン』
2017年1月8日(日)~29日(日) 東京・日生劇場
2017年2月2日(木)~5日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
2017年2月10日(金)~12日(日) 福岡・キャナルシティ劇場
2017年2月17日(金)~18日(土) 愛知・愛知県芸術劇場大ホール
[スタッフ]
潤色/演出:板垣恭一
訳詞:森雪之丞
音楽監督:島 健
[出演]
中川晃教/柿澤勇人(Wキャスト)、加藤和樹/小西遼生(Wキャスト)、音月桂、鈴木壮麻、相島一之、濱田めぐみ ほか
公式ホームページ
〈中川晃教さんプロフィル〉
俳優、シンガー・ソングライター。2001年デビュー。その後、ミュージカル『モーツァルト!』の主演に抜擢され、第57回文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞を受賞。主な舞台出演作に『マーダー・バラッド』『ジャージー・ボーイズ』『グランドホテル』『DNA―SHARAKU』『HEADS UP!』『CHESS THE MUSICAL』『THE SHOW INFECTED“CONNECTION”』など。『SONG WRITERS』『あかい壁の家』『星めぐりのうた』『銀河英雄伝説 撃墜王篇』『女信長』『ピトレスク』など、舞台出演と同時に楽曲提供もしている。2017年4月に『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』、7月には『ビューティフル』への出演が決まっている。
★中川晃教オフィシャルサイト
〈加藤和樹さんプロフィル〉
アーティスト、俳優。2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、06年にMini Album『Rough Diamond』でCDデビュー。俳優としては、ドラマ『仮面ライダーカブト』『ホタルノヒカリ』『インディゴの夜』などに出演するほか、アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN』や時代劇アニメ『義風堂々』、今年話題のアニメ『B-Project*鼓動アンビシャス』などで声優としても活躍。近年の主な舞台出演作品は、『1789 -バスティーユの恋人たち-』『No.9-不滅の旋律-』『ペール・ギュント』『タイタニック』『レディ・ベス』など。2017年4月『ハムレット』への出演を控える。音楽活動では3月に10周年記念FINAL LIVE、6月にはZEPP TOURも開催される。
★加藤和樹オフィシャルブログ