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古川雄大、誰も見たことがない舞台に(下)

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』出演

米山麻美子 ライター


古川雄大、誰も見たことがない舞台に(上)

拡大ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演する古川雄大=岸隆子撮影

役の気持ちは事前に作り込まずに臨みたい

──新演出についても聞かせてください。

 厳密な時代設定はないのかもしれませんが、衣裳のデザインなどを見ると「近未来なのかな?」と。でもストーリーに出てくる小道具は現代風のものもあるし、まだ僕も今回の世界観をすべて理解はできていないんです。ただ全体的に「近未来」というイメージを目指している感じはあります。

──衣裳デザイン案などはもう見ていらっしゃるんですね。衣裳や美術などのビジュアル面から演技に影響を受けることはありますか?

 うーん……僕はあんまり意識しないタイプかもしれない。特殊な衣裳で動きに制約がある場合なんかは動き方や見せ方を考えますけど、それ以外では、たとえばビジュアルから役を作るために稽古場から衣裳をつけるとか、そういうことはしないですね。

──役作りの方法って、人それぞれいろいろなやり方があると思いますが、古川さんはどのあたりから役をつかんでいくタイプですか?

 気持ちの部分はあまり事前に作りこまずに臨みます。前もって決める作業はせずに、素直に、その場で起きたことを感じて動きたいなと思っています。でも舞台の上では「ここでこう動く」というきっかけや決まり事があるので、それを体に入れてすぐに対応できるようにしながら、常に新鮮な気持ちでいるようにしていますね。

拡大ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演する古川雄大=岸隆子撮影

──相手役によっても演技が変わってきそうです。今回のジュリエット役のおふたり、生田さんと木下さんの印象を教えていただけますか?

 生田ちゃんはステージに立つ経験が豊富だからなのか、すごく「強さ」を感じます。ジュリエットって実はけっこう強い人だと思うんです。自分から行動していく強さがある。ロミオはどちらかというとジュリエットについていくタイプ(笑)。生田ジュリエットは行動力のある芯の強いジュリエットって感じですね。

 木下ちゃんはそれとは逆に、ジュリエットの臆病な部分を掘り下げて作っているんじゃないかなという気がします。結婚相手を決められていて、いとこのティボルトもいて……そんな状況でロミオと出会ってしまった。恋に憧れる気持ちはありながらも、一歩踏み出すことに臆病になっているというか、恋に戸惑っているというか、そんな印象です。

──強さと戸惑い、それぞれに魅力的なジュリエットになりそうです。

 まだどうなるかわからないですけどね。ふたりが聞いたら「ぜんぜん違うんですけど!」って言われるかもしれない(笑)。本番でまったく別のジュリエットになっていたら……それはそれで、おもしろいかな。

◆公演情報◆
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
2017年1月15日(日)~2月14日(火) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2017年2月22日(水)~3月5日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作・音楽:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)
[出演]
古川雄大/大野拓朗(Wキャスト)、生田絵梨花(乃木坂46)/木下晴香(Wキャスト)
馬場徹/矢崎広(Wキャスト)、平間壮一/小野賢章(Wキャスト)、渡辺大輔/広瀬友祐(Wキャスト)大貫勇輔/宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)(Wキャスト) ほか
公式ホームページ
〈古川雄大プロフィル〉
長野県出身。2009年、映画『僕らはあの空の下で』単独初主演。08年にミュージシャンとしてCDをリリース、ライブ活動も行っている。主な舞台出演作に、『黒執事~NOAH’S ARK CIRCUS~』『エリザベート』『1789-バスティーユの恋人たち-』『タイタニック』『レディ・ベス』など。
古川雄大オフィシャルサイト

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筆者

米山麻美子

米山麻美子(よねやま・まみこ) ライター

東京都出身。2013年より兵庫県在住。小学校から高校まで部活動は演劇部ひとすじ。大学の芸術学部演劇学科に進むも、入学したとたんに興味が映像や障害者福祉など別分野に移り、成人後しばらくは劇場から離れた生活を送る。仕事関係で宝塚歌劇を見たことからふたたび舞台芸術の魅力にはまる。演劇系webサイトで宝塚・ミュージカル・演劇関連の観劇レポートやインタビュー記事を執筆。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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