鈴木京一(すずき・きょういち) 朝日新聞文化くらし編集部ラジオ・テレビ担当部長
1963年生まれ。東京大学教養学部卒。1987年、朝日新聞社入社。東京と大阪の旧学芸部や文化グループで、主に論壇関係の取材記者や編集者をしてきた。女性アイドルのライブ見物が20年来の趣味。好物は「ハロー!プロジェクト」。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
アイドルの「引退」「年齢」を考えた
モーニング娘。を擁するハロー!プロジェクト傘下の「ハロー!プロジェクトキッズ」のメンバーやメンバーによるユニットが2015年から2016年にかけて相次いで解散や引退を発表した。
2002年に15人が選ばれたときは、小学生をアイドルにして、事務所は何を考えているんだろうと思ったものだが、今にして思えば15年越しの「アイドル虎の穴」だったのだと思う。15人中12人が最後まで残ったのも感慨深い。それとともに、アイドルの「引退」「年齢」を考える機会にもなった。
1)℃-ute/中野サンプラザ(5月1日)
℃-uteはハロプロのグループの一つ。ハロプロキッズのメンバーを中心に05年に結成して今年(16年)で11年を迎え、最年長は24歳。モーニング娘。が次々にメンバーが入れ替わるのに対し、現メンバー5人は結成以来のメンバーなので、ハロプロ内において最年長グループとなり、ハロプロ全体のリーダーを℃-uteリーダーの矢島舞美(24)がつとめている。
今回のツアーの開巻は「ドリームガールズ」「シカゴ」のようなミュージカルを連想させる演出。シングルの衣装は矢島美容室というかスリーディグリーズ風のスパンコールの入ったロングドレスで、年長女性アイドルの進路として、ありだなあと思った。
そういえば永作博美がいたribbonも末期はこんな衣装を着たこともあった。このライブの直後、℃-uteメンバーのゴシップが報じられたこともあり、かつてのメロン記念日のようにアイドル集団であるハロプロを近いうちに卒業して、現在も子どもを持ちながらもグループを続けているMAXのように、活動を続けるのではないかと思っていた。
しかしその3カ月後、2017年6月で解散することを発表する。所属事務所の説明を見ると、事務所も「ハロプロは卒業してこれまでとは違ったスタンスで活動を続ける」ことを選択肢として示していたが、本人たちが「最後まで『ハロプロの℃-ute』でありたい」と解散を決めたのだという。ファンが言う筋合いのものではないのかもしれないが、え、その程度の理屈でやめちゃうの?と思った。
ハロプロを見ていると、初期の中澤裕子や太陽とシスコムーンなど少数の例外を除き、ほとんどが25歳を待たずにグループを卒業している。同じ事務所のアップアップガールズは「最年長メンバーが25歳になる」ことを理由の一つに挙げて(マネジャー氏)、かなり無理のある武道館公演を11月にやった(この公演自体は入りは悪かったものの、非常によかったと思う)。10年以上同じことをやっていると飽きるのかもしれないが、「25歳定年」という呪縛があるのかと思った。
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