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SMAP、ジャニーズをめぐる「大人の振る舞い」

空気重過ぎ、隔靴掻痒過ぎ。なんか……なんかなあ――

矢部万紀子 コラムニスト

つまらなかった、つまらなかった…

 木村拓哉主演のドラマ「A LIFE〜愛しき人〜」(TBS系)が始まった。年明けからの大量の宣伝で知って、初回を見てみた。つまらなかった。それはよい。

 「A LIFE」の宣伝に伴う、木村拓哉のインタビューも複数あったので読んでみた。つまらなかった。

 さらには昨年(2016年)末のSMAP解散に向けて、本人たちが登場しない企画ものも読んでみた。中でもSMAP解散の引き金を引いた(で、いいですよね)メリー喜多川ジャニーズ副社長インタビューを載せた「週刊文春」の「総力特集14ページ!ジャニーズが青春だった!」(1月5・12日合併号)は期待して読んでみた。つまらなかった。

 本人がいても、いなくてもつまらない。NHK朝ドラ「べっぴんさん」(これも、つまらない)の主人公・すみれちゃんの口癖を借りるなら、「なんか……、なんかなあ――」である。

 しょうがないのかなあ、ジャニーズ事務所だもんなあ、キムタクだもんなあ、でもな―、なんか……なんかな――。

 念のため触れるなら、草彅剛主演「噓の戦争」(カンテレ・フジテレビ系)も「A LIFE」より先に始まった。初回を見てみた。わりと面白かった。「AERA」「週刊朝日」「サンデー毎日」の表紙が一斉に草彅君になっていて、してやられているぞとは思った。けど、その話はやめて、「A LIFE」にする。だって、天下のキムタクだよ、初の医師役だよ、浅野忠信と竹内結子と松山ケンイチだよ。がんばれTBS、がんばれ木村(&ジャニーズ事務所)ってことで。

木村拓哉抜きの大晦日「忘年会」を報じた「週刊新潮」2017年1月12日号拡大木村拓哉抜きのSMAP「忘年会」を報じた「週刊新潮」2017年1月12日号
 雑誌ウォッチを続けるならば、「週刊新潮」が1月12日号で、木村を除くSMAP4人プラス脱退した森且行が加わった12月31日の「忘年会」をこと細かく書いていた。

 4人プラス1人の洋服やら靴やらバッグやらも、ブランドまで分析して、「知ってましたから。撮れる位置どりで、張ってましたから」感満載だった。

 場所が堺正章プロデュースの焼肉店、堺は田辺エージェンシー関連事務所所属。田辺エージェンシーをキーワードにSMAP独立の線でまとまりかけたが、木村の反対で頓挫、ジャニーズ事務所側についた木村の奮闘にもかかわらず、結局は解散。この構図通り、木村=仲間はずれ、キーワード=田辺エージェンシーと読める。ふむふむ。

 対する文春なのだが、総力特集14ページを「つまらなかった」と思ったのは、SMAPまわりの記述に本音感が希薄だったから。トップは林真理子と宮木あや子、作家同士の対談。「私、ファンの貴族だったかも」と自己分析する林さんが、一貫して「大人の振る舞い」だった。自分を少し卑下しつつ、ジャニーズ事務所と所属タレントをほめ、解散の話になるとファンやら文春やらに目線を変え……。上手なんです。だけど、「本音派」のはずの林さんが、やはりジャニーズになると大人になってしまう。ブルータス、おまえもか。

 なので読むのをやめたのだが、気を取り直して再読したら、ジャニーズjr.を見て「恋に落ちた」という宮木さんが、「メリーさん報道をきっかけに、ジャニーズ事務所内部で意識改革がおこってもよかったのに、なぜ文春はそういう方向に動かなかったのか。ただ聞いたことをそのまま書いただけ」と批判、これはファンとしての「心の声」だなと感じられたから、少しよかった。

メディアが取る作戦

 林さんに限らず、ジャニーズと「大人の振る舞い」。切っても切り離せない。 ・・・ログインして読む
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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。

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