岩村美佳(いわむら・みか) フリーランスフォトグラファー、ライター
ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。現在、演劇分野をメインにライターとしても活動している。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
名作原作の新たなミュージカル『グレート・ギャツビー』に出演
新作ミュージカル『グレート・ギャツビー』が上演される。原作は20世紀の文学史における最高傑作のひとつとされ、これまで幾度の映画化を生んできた名作『グレート・ギャツビー』。宝塚歌劇で世界初のミュージカル化に成功した小池修一郎が、井上芳雄を主演に迎え、脚本・演出を新たに再び挑む。音楽は、新作『BANDSTAND』でブロードウェイ・デビューを果たすリチャード・オベラッカーによる全曲書き下ろしだ。井上演じるジェイ・ギャツビーが思い続ける昔の恋人・デイジー・ブキャナン(夢咲ねね)の夫・トム・ブキャナン役を演じる広瀬友祐に話を聞いた。インタビューは制作発表会見の日に行われ、トム・ブキャナンに扮し髭を蓄えたダンディーな姿でインタビューに応えてくれた。
2015年、『エリザベート』で初の大作ミュージカルに出演した広瀬。2016年、『1789 -バスティーユの恋人たち-』でフェルゼン役、『ロミオ&ジュリエット』ではティボルト役と重要な役を演じ、着実に結果を残してきた。その3作品を演出しているのはすべて小池だ。4作品目となる小池作品で、新しい役に挑む心境や、『ロミオ&ジュリエット』について、さらにプロサッカー選手を目指していた10代のころ、役者を目指したきっかけなどについて語ってもらった。
――まず出演が決まってどう思いましたか?
決まった直後はただただ嬉しかったです。「よし!」という感触でしたが、制作発表で改めてキャストの方々にお会いしたときに、一気に緊張感が高まりました。まだ稽古も先ですし、本番にいたってはまだまだ先なんですが、不安や期待などがこみ上げてきて、リアルな感覚に変化してきました。
――作品についてはご存知でしたか?
レオナルド・ディカプリオさんが主演された映画『華麗なるギャッツビー』を拝見していましたし、その前のロバート・レッドフォードさんが演じられた映画も拝見しました。まだ映画だけなんですが、原作や小池先生が宝塚で作られた作品はこれから拝見します。
――映画を見たうえで、トム・ブキャナン役をやることについてはいかがですか?
元々、ディカプリオさんが好きで見ようと思った映画でした。やっぱり素敵な俳優さんだなと思って見ている脇で、とんでもないヤツがいるなと。嫌なヤツだな、コイツが近くにいたら本当に嫌いだなと思っていたんですが、まさか今回自分がやるなんて(笑)。でもヒール役といいますか、ふてぶてしく傲慢な役柄なので、役者としては新しいチャレンジの機会を与えてもらえて嬉しいです。
――作品全体の配役が発表になったときに、個人的には「ああ! 納得」と思う布陣でした。
本当ですか! そのご感想から外れないように頑張りたいと思います。
――トム役は、井上さんと対峙する役ですが、今どう感じていますか?
僕は芳雄さんと初めてご一緒させて頂いたのが2015年『エリザベート』でしたが、舞台上で絡むことがあまりなく、いつも袖からトートを演じている井上さんを見ていて、すごいなと尊敬していました。まさか自分がこういった立場で共演できるなんて、その時は思っていなかったので 嬉しいですし、不安もたくさんありますが、すごく楽しみです。やっとステージ上で芳雄さんと言葉を交わせるというか、お芝居できることが本当に楽しみです。
――井上さんや、田代(万里生)さんとは『エリザベート』で共演していても、向き合うことはなかったですもんね。
本当に素晴らしい方たちなので、どうにか自分らしく対立できたらと思っているんですが、高い壁をいろいろと乗り越えていかなければいけないと思っています。
――『エリザベート』公演中に、この作品を作曲されるリチャード・オベラッカーさんとお会いになったそうですね?
そのとき、僕は「おまけ感」が強かったんですよ。芳雄さんがいて、万里生さんがいて……アンサンブルの子が出てきちゃったという感じで(笑)。オベラッカーさんが『エリザベート』をご覧になった直後でしたから、「トート役、フランツ役……お前誰だ!?」という感じでそれが僕的には面白くて(笑)。「次で覚えさせてやるぞ」と思いながらも、面白い初対面の場でした。物腰の柔らかそうな、優しそうな方でしたね。ミュージカルや音楽に対して、僕はまだまだ新米で無知なことが多いですが、こうやって新しく生まれ変わろうとしている作品に携われるのは、なかなかないことなので嬉しいです。
◆公演情報◆
ミュージカル『グレート・ギャツビー』
2017年5月8日(月)~29日(月) 東京・日生劇場
2017年7月4日(火)~16日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
音楽:リチャード・オベラッカー
脚本・演出:小池修一郎
[出演]
井上芳雄、夢咲ねね、広瀬友祐、畠中洋、蒼乃夕妃、AKANE LIV、田代万里生 ほか
公式ホームページ
〈広瀬友祐プロフィル〉
東京都出身。舞台、映画、TVなどで活躍。主な出演作に、『ロミオ&ジュリエット』『エリザベート』『1789 -バスティーユの恋人たち-』『黒執事』『メリリー・ウィ・ロール・アロング~それでも僕らは前に進む~』『阿修羅のごとく』『戦国BASARA3 、4 』『EVELATION GARDEN-スパルタクスの反乱』『俺たちの明日』など。
★広瀬友祐オフィシャルブログ