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平方元基、世界観を観客と共有したい(下)

ミュージカル『王家の紋章』イズミル役に再び挑む

米山麻美子 ライター


平方元基、世界観を観客と共有したい(上)

ダブルキャスト、マモくんに嫉妬心はない

拡大ミュージカル『王家の紋章』に出演する平方元基=岸隆子撮影
──イズミル役ダブルキャストの宮野真守さんとはとても仲良しだそうですが、舞台上での役作りは対照的でした。宮野イズミルが動なら、平方イズミルは静、というイメージで。

 イズミル役として絶対にはずしてはいけないポイントはありましたが、それをどう表現するかはそれぞれの役者に任されていて。最初に演出家に提示する時点で、僕とマモくん(宮野さん)のイズミルはぜんぜん違っていた。だから、お互いに嫌な感じのジェラス、嫉妬心のようなものがないんです。あまりに違いすぎているから(笑)。稽古場ではイズミルの感情や、芝居の設定などいろいろなことを事細かにマモくんと確認して共有していました。「ねえねえ、ここってどういう気持ちなのかな」とか「あれ、いま時空ってどうなってるんだっけ?」とかね(笑)。だからいざ舞台上で芝居をするときに怖いものはなにもなかった。自分が作ったイズミルを信じて、感じるままにやるしかないですから。ダブルキャストっておもしろくて、たとえばマモ君が作ったものを僕が真似してみても、絶対にいいものにはならない。それぞれが作りあげたイズミルの表現に責任を持てば、こんなにも舞台上で自由でいられるんだと、改めて感じました。

──観客の立場としては、味わいの違う役作りが見られるのは、ダブルキャストの醍醐味でもあります。

 以前はダブルキャストで比較されるのが嫌だなーと思った時期もありましたが、わりと早い段階でそのジレンマからは脱出しました。だって、違いがあるのは仕方ないですもん。観る側としてはその違いを比べるのがまた楽しいのではないかと思っています。

拡大ミュージカル『王家の紋章』に出演する平方元基=岸隆子撮影

──それぞれに魅力的なイズミルでしたが、平方イズミルは特に原作のイメージに忠実な印象でした。演技だけでなく、衣裳の着こなしや動き、メイクもかなり工夫されていたのでは。原作の絵柄はすごく顎(あご)が細いのですが、そこも再現されていたように思います。

 いやいや、顔の形は変えられないので(笑)。でもかなり研究はしました。(原作の絵柄は)顎もそうですが、鼻もすごく尖っているんですよね。だから横顔がすごくかっこいい。漫画そのもののビジュアルにはなれませんが、少しでも原作に近づけるように、空き時間に美顔ローラーでマッサージをしたり(笑)、メイクもシェーディングで鼻を尖らせたりと工夫しました。僕自身が原作物の作品を観るときは、できるだけイメージ通りのものが舞台上にあって欲しいと思うタイプ。役者の個性もあるかもしれないけれど、やっぱりイズミルというキャラクターが強く表現されているほうが、作品の世界観をお客さまとより深く共有できるんじゃないかなと思ったんです。

──原作のイメージをとても大切にされていることが伝わりました。眉毛の描き方とか…すごく良かったです!

 そう! イズミルの眉毛、ポイントなんです。顎と鼻はできるだけ尖らせて、眉はしっかり描くんですよ。わあー、そこを見てもらえてるのは、すごく嬉しい(笑)!

◆公演情報◆
ミュージカル『王家の紋章』
2017年4月8日(土)~5月7日(日) 東京・帝国劇場
2017年5月13日(土)~31日(水) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
原作:細川智栄子あんど芙~みん
『王家の紋章』(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出:荻田浩一
作曲・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
[出演]
浦井健治、新妻聖子/宮澤佐江(Wキャスト)、宮野真守/平方元基(Wキャスト)、伊礼彼方、濱田めぐみ、山口祐一郎 ほか
公式ホームページ
〈平方元基プロフィール〉
2008年より数多くのテレビドラマに出演。2011年『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役に抜擢され、ミュージカルデビューを果たす。その後も数々の大作ミュージカルに出演。主な舞台主演作品に、『エリザベート』『シラノ』『マイ・フェア・レディ』『レディ・ベス』『アリス・イン・ワンダーランド』『サンセット大通り』『ダンス オブ ヴァンパイア』など。
<衣装>
ジャケット・パンツ・Tシャツ:Psycho Bunny/ジョイックスコーポレーション
靴:fabs classic

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筆者

米山麻美子

米山麻美子(よねやま・まみこ) ライター

東京都出身。2013年より兵庫県在住。小学校から高校まで部活動は演劇部ひとすじ。大学の芸術学部演劇学科に進むも、入学したとたんに興味が映像や障害者福祉など別分野に移り、成人後しばらくは劇場から離れた生活を送る。仕事関係で宝塚歌劇を見たことからふたたび舞台芸術の魅力にはまる。演劇系webサイトで宝塚・ミュージカル・演劇関連の観劇レポートやインタビュー記事を執筆。

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