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雪組の早霧せいな、「絆」確かめサヨナラ

【月刊タカラヅカ】ファン6千人が見送る

河合真美江


拡大サヨナラショーで熱唱する早霧せいな(中央右)と咲妃みゆ(中央左)=兵庫県宝塚市、滝沢美穂子撮影

 「あたたかさに満たされてグッときた」。雪組トップスターの早霧(さ・ぎり)せいなは宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)を卒業した5月29日、終演後に涙をこぼした。ファンが別れを心底惜しみ、感情を高ぶらせるサヨナラの光景を「心に焼きつけるのに二つの目じゃ足りないぐらい」と笑わせ、名コンビの相手役、咲妃(さき・ひ)みゆとそろって本拠地から旅立った。

命がけでやってきた男役

 早霧は緑の袴(はかま)で大階段をおり、退団あいさつ。「命がけでやってきた男役」への思いを切々と語った。「悩んで立ち止まったり、弱い自分に負けそうになったり。あきらめないで舞台に立ち続けることができたのは、ファンのみなさまの励ましと愛のおかげです。それが男役早霧せいなの、どれだけの原動力になったか」

 長崎県佐世保市に育った少女が男役になりたいと強く願い、宝塚に入って夢をかなえた。小柄ながら、卓越した芝居力とバネのきいたダンスで熱い舞台を演じてきた。「いまになって、男役への愛着がもっと増している」と終演後に明かすほど情熱を注いだ。

 仲間と信頼しあい、舞台をつくるかけがえのない時間のつまった宝塚。早霧にとって、そのすべてが「絆」だった。千秋楽の日、仲間と目が合うたび、たわいない話をするたび、グッときて泣きそうになった。

最後まで息のあった名コンビ

拡大公演後、大勢のファンに見送られる早霧せいな=兵庫県宝塚市、滝沢美穂子撮影

 サヨナラショーは当たり役の「ルパン三世」らしく、真っ赤な衣装で軽やかに登場し、「星逢(ほし・あい)一夜(ひと・よ)」「るろうに剣心」と代表作の曲を次々披露した。咲妃とは「ローマの休日」などから歌い、デュエットダンスもたっぷり踊り、最後まで息のあったコンビぶりだった。

 この夜、ファン6千人がふたりを見送った。大劇場入り口から車に乗りこむ前、ファンのみんなが声を合わせて、「絆! 絆!」

 早霧はすがすがしい笑顔で手を振った。

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