盗撮が容易に起きない空間をつくることがやはり重要
2017年07月19日
「男女共用トイレ」にひそむ盗撮の危険性――「男女共同参画」という観点は貫かれるべきなのか
続・「男女共用トイレ」にひそむ盗撮の危険性――盗撮を容易にする環境を作ってはならない
筆者として、反論に対してなるべく早くに答えるべきだったが、他の論考を執筆・掲載していた時期と重なったため、対応が遅れたことをまずお詫びする。
5月25日付で、本サイト執筆者・山内正敏氏による「男女共用トイレに関しての日本の知識は誤解だらけ――盗撮懸念論というナンセンスな感情論に対する理性的な答えとは」という文章が掲載された。そこでは要するに、スウェーデンの現状を見れば、男女別のトイレは不要である、と書かれている。スウェーデンの手洗い事情は興味深いし、参考になった。だが、日本はスウェーデンではない。その文化を一朝一夕に取り入れることも困難である。
しかも、スウェーデンではともあれ(もっとも私はスウェーデンで盗撮がないとは決して考えていない)、日本でたくさんの盗撮が起きているのは事実である。私がデータを「一切」示していないと反論を受けたが、私は前稿で引用・言及した「ポルノ被害と性暴力を考える会」、あるいは「ポルノ・買売春問題研究会」等が地道に行ってきた各種の調査や研究を下に論じた(ポルノ・買売春問題研究会『論文・資料集』vol.6、ポルノ被害と性暴力を考える会『今は、まだ名前のない性被害があります』)。前稿は盗撮の問題を概括的に論ずることが目的ではないため、データ提示の必要を特に認めなかっただけである(もっとも一つではあるが、データははっきり示したのだが)。
勝部元気 トイレは「男性・女性・その他」3分割の時代へ――「LGBTに配慮したトイレ」という誤解と偏見(WEBRONZA)
勝部元気 女子トイレの待ち時間は経済的損失である――トイレ先進国として更なる進化を期待する(WEBRONZA)
山内氏が言うように、技術(盗撮)に技術(盗撮器発見)をもってすることが可能なら、それは望ましい。私も望ましいと肯定する。
けれども、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください