横田由美子(よこた・ゆみこ) ジャーナリスト
1996年、青山学院大学卒。雑誌、新聞等で政界や官界をテーマにした記事を執筆、講演している。2009年4月~10年2月まで「ニュースの深層」サブキャスター。著書に『ヒラリーをさがせ!』(文春新書)、『官僚村生活白書』(新潮社)など。IT企業の代表取締役を経て、2015年2月、合同会社マグノリアを設立。代表社員に就任。女性のためのキャリアアップサイト「Mulan」を運営する。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
「妊活メディア」事業の調査から
前稿「[20]「俺は生殖機械か?」 別居した夫の思い」では、妊活のため妻から「排卵日」を伝えられたことをきっかけに、結婚生活の破綻までいってしまった夫婦のケースを夫(ハヤトさん)の視点で紹介した。
本連載の取材を続けてみると、男性が必ずしも、「排卵日を伝えられることにプレッシャーや義務を感じてしまう」わけでもなさそうだ。
女性向けサイトの運営やEC(電子商取引)などの事業を手がける(株)CURUCURU(キュルキュル、本社・愛知県名古屋市)は、今夏、本格的に“妊活メディア”事業に参入する。
中核となる「みんなの妊活メディア『妊活ボイス』」では、妊活経験者を対象にしたアンケートの中で「排卵日を奥さんからどう伝えられたいか」という調査(複数回答選択)を実施している。
意外にも最も多かった回答は、「排卵日をはっきり言われる」となっており、2人に1人が選択していた。
また、「奥さんから『この週はお互い早く帰ってゆっくりしようね』等やんわり言われる」も40パーセント、「奥さんからなんとなく言われる」が35パーセントとなっていた。
つまり、その人の性格に起因する部分が多く、「妊活する」と決めるのは妻ではなく夫婦なので、妻は、夫の性格を慎重に見極めながら、協力を仰ぐ必要があるということだ。なぜなら、排卵日を知る方法として「奥さんから伝えられる」ことを望む男性が圧倒的ではあったが、「アプリ等で奥さんの排卵日を受け取る」という回答を選んだ人も一定数いたからだ。
時田由美子社長は次のように説明する。