メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

『ビリー・エリオット』大阪公演が開幕

吉田鋼太郎、これを見なかったらほかに見る芝居はない

真名子陽子 ライター、エディター


拡大『ビリー・エリオット』大阪公演囲み会見から。左から、加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力、吉田鋼太郎=松田しおり撮影

 ミュージカル『ビリー・エリオット』の大阪公演が上演中だ(梅田芸術劇場メインホール・11月4日まで)。東京公演を終えたビリー役の5人とそのお父さん役の吉田鋼太郎が、大阪公演の初日前に囲み会見を行った。

 日本では珍しい約2カ月半のロングランだった東京公演では、5人のビリーがそれぞれ出演する公演が見たいとの声が相次ぎ、チケットの入手が困難になったほど。ビリーの自由になりたいという叫びと、夢に向かって真っすぐに進んで行く姿は、子どもだけではなく大人も何かを感じられるミュージカルになっている。

 2015年の春から始まったレッスン形式のオーディションから2年半が経ち、5人のビリー達も心身ともに成長している。身長が何㎝伸びたとか、誰の背を追い越したと、楽しそうに仲良く話をする5人は、最初こそ緊張していた会見もすぐにリラックスし、軽快に受け答えをしてくれた。全員が口を揃えて「最初は怖くて話しかけられなかった」と言う吉田とは、東京公演を終えたことで信頼関係を築けている様子も伺え、吉田がビリー達を優しい眼差しで見守りフォローする姿は劇中そのまま。子どもたちの純粋さであたたかい雰囲気の会見となった。

目の肥えた大阪のお客様に素晴らしい感動を

拡大『ビリー・エリオット』東京公演から。左ビリー役:未来和樹、右マイケル役:持田唯颯=阿部高之撮影

記者:東京公演を終えていよいよ大阪公演です。今の気持ちを教えてください

加藤航世(13歳):残りの公演が少ないので、一回一回丁寧に、大切にやっていきたいです。

木村咲哉(11歳):大阪公演でも見に来てくれるお客さんや応援してくれる方に、たくさんの感動を与えられるようにがんばります。

前田晴翔(12歳):東京公演と同じように大阪公演もがんばりたいと思います。

未来和樹(15歳):大阪公演は東京公演に比べて回数が少ないので、その分、熱く濃い舞台にして、たくさんの感動をお届けしたいなと思います。

山城力(11歳):大阪公演は東京公演より劇場が広いので、倍以上がんばらないと皆さまにお届けできないと思います。だから倍以上、がんばりたいと思います。

吉田:すでに東京で約100ステージほどさせていただきましたが、なれ合いになることなく、まだまだ発展途上です。さらに良いステージにしていこうと、彼らも周りを支える僕たちも思っています。目の肥えた大阪のお客様に、素晴らしい感動をお届けするべくがんばりますので、よろしくお願いいたします。

歌と踊りと芝居ができるので怖いものなし

拡大『ビリー・エリオット』東京公演から。ビリー役:前田晴翔=阿部高之撮影

記者:東京公演を終えての思い出はありますか?

山城:Electricityの場面で、ピルエットの4回転がたまにしかできなかったのですが、舞台の上で初めてきれいに4回転を回ることができて、きれいに止まることができました。

未来:僕は、ただただうれしかったです。何回やっても大変なんですけど、お客さんの拍手や歓声を聞いて、今日もやって良かったと思えることがすごく幸せでした。大阪でもたくさんの拍手をもらえるようにがんばっていきたいです。

前田:楽しいシーンのときに、お稽古場では笑ってくれないけれど、本番ではお客さんがたくさん笑ってくれました。それがすごく楽しくてうれしくて、感動しました。

木村:フラットな場所でお稽古をしていたけれど、本番の舞台は傾斜があって、踊るときの感覚が違って……。でも、本番の舞台ではちゃんと踊ることができたので、すごくうれしかったです。

加藤:ほかのキャストの皆さんから、歌と演技が巧くなったと言われたことが、うれしかったです。

吉田:本当にみんな巧くなりました。ダンスと歌はフィジカルなものですから、レッスンを積めばお見せするところまでいけますが、お芝居はコミュニケーション、気持ちと気持ちの渡し合いで、それは練習をしてできるものではないんですね。でも、少しずつ彼らもコツをつかんで、舞台上で相手役と心を通わせることができるようになってきました。本当にお芝居が上手になったなと思います。歌と踊りができて、さらにお芝居ができますので、怖いものなしですね。彼らは今、とてもいい状態になっていると思います。

保護者というより戦友になった

拡大『ビリー・エリオット』東京公演から。前列中央ビリー役:加藤航世、後列中央ウィルキンソン先生役:柚希礼音=阿部高之撮影

記者:吉田さんとの舞台上でのエピソードはありますか?

木村:本番が始まる前なんですけど、「イキイキしていこう」と言ってくださるので、劇中でもイキイキと楽しくできてうれしいです。

山城:ビリーの出番の前に、吉田さんが「よし、行こう」って言ってくださるんですけど、その時に、始まるんだ!とスイッチが入ります。そのお言葉のおかげで楽しんでやれています。

記者:東京公演が始まる前は、お父さんの気持ちになるとおっしゃっていましたが、今はどんな気持ちですか?

吉田:今もお父さんの気持ちではあります。けれど、彼らが制作発表会見のときと違って、今日も自分達からしゃべるようになって、前へ前へと出るようになっているから、僕ら父兄はいらないんじゃないかと思うほどです。保護者として温かく見守るというより、戦友のようになりましたし、彼らから教えてもらうこともたくさんあります。勉強させてもらっています。

記者:作品の見どころとメッセージをお願いします。

吉田:すべてのシーンが見どころです! 誇張して言ってるわけではなく、歌や踊り、すべてのレベルがものすごく高いです。だから、どのシーンを見ても楽しめます。それらが繋がり、ひとりの少年が夢に向かって突き進んでいくというストーリーが、その姿が、とても感動的です。大人が見ても、何か忘れてしまったものはないか、やり残したことはないか、もう一回がんばれるんじゃないか、という気持ちにさせてくれます。ショーとしても素晴らしいですので、いろんなものをお持ち帰りいただける作品だと思います。これを見なかったら、ほかに見る芝居はないです!

◆公演情報◆
ミュージカル『ビリー・エリオット』
2017年7月25日(火)~10月1日(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2017年10月15日(日)~11月4日(土) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
脚本・歌詞:リー・ホール
演出:スティーヴン・ダルドリー
音楽:エルトン・ジョン
振付:ピーター・ダーリング
[出演]
加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力/吉田鋼太郎、益岡徹/柚希礼音、島田歌穂/久野綾希子、根岸季衣/藤岡正明、中河内雅貴/小林正寛/栗山廉(Kバレエ カンパニー)、大貫勇輔 ほか
公式ホームページ

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

真名子陽子の記事

もっと見る