横田由美子(よこた・ゆみこ) ジャーナリスト
1996年、青山学院大学卒。雑誌、新聞等で政界や官界をテーマにした記事を執筆、講演している。2009年4月~10年2月まで「ニュースの深層」サブキャスター。著書に『ヒラリーをさがせ!』(文春新書)、『官僚村生活白書』(新潮社)など。IT企業の代表取締役を経て、2015年2月、合同会社マグノリアを設立。代表社員に就任。女性のためのキャリアアップサイト「Mulan」を運営する。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
「排卵日を告げられること」をきっかけにダメになる夫婦がいる一方で、「排卵日を告げられたい」と夫が考えれば、その夫婦は前向きに妊活していくことができる。
[5]排卵日に射精しなければならないという焦り
[20]「俺は生殖機械か?」 別居した夫の思い
[21]妻から「排卵日をはっきり言われたい」夫
取材を続けて思ったのは、結局、妊活がうまくいかなくても、夫の性格や資力によって、夫婦関係の破綻は、かなりの確率で避けられるということだった。妊活の世界ほど、“経済格差”が影響する場所はない、ということだ。
たとえば、ひとまわり下の女性と職場結婚した50歳の男性の場合、妊活当初、相手の女性が36歳と高齢出産の域に入っていたにもかかわらず、2人の子どもに恵まれている。これは、金銭的な面では全く妻が不自由を感じないほど夫に財力があったことが大きいと思う。
妻(38歳)は現在、産休・育休に入っているが、
「メドがついたら、また職場復帰するつもり。うまく戻れなかったら? 大学院に行き直してもいいかなと考えています」
そう、あっけらかんと答えた。
夫は、「仕事を続けるにしても、辞めて好きなことをするにしても、君のしたいようにしたらいい。そのためのバックアップはいくらでもするから」
と、言ってくれるという。
過去、最終的に中絶という選択をした女性(「[19]燃え尽きて……妊活後に中絶、そして離婚」が、「すべての決断と責任を夫から押しつけられるように感じた」と、取材で答えたのとは大違いだ。
妊活中も今も、週に3回は家事代行サービスから人が派遣されてくる。夫の時間に余裕がある時は、「ベビーシッターを利用して、外食することが多い」。妊活で経済的にも精神的にも追い詰められている女性が聞いたら、嫉妬で気が狂いそうなエピソードが次から次へと出てくる。
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