勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
保守化・右傾化を安倍“忖度”メディアのせいにして良いのか?
「小池劇場」や枝野幸男氏による立憲民主党の誕生など、本当に色々なことがあった2017年衆議院選挙は、自民・公明が全465議席中313議席を獲得し、安倍政権の圧勝で終わりました。
リベラル派(ここではマスコミ等で使われる「いわゆるリベラル」とは異なり、「進歩主義、社会自由主義、社会民主主義等、欧米先進国で左ウイングに位置する中道左派政党の思想に近しい政治信念を持つ人も含む」と定義します)の議員は、2012年から3度にわたる総選挙で圧倒的に少なくなくなったように思います。近年、様々な論者が「リベラル敗北」を指摘していますが、その流れが着実に進んでいることは間違いないでしょう。
確かに、立憲民主党が躍進したと報道されていますが、衆院の全議席数の比率はわずか11.83%に過ぎません。近年敗北したリベラルや左ウイングに位置する海外の大政党と比較してみると、フランスの社会党5.2%は超えたものの、アメリカ民主党44.6%やドイツ社会民主党(SPD)の21.58%にすら及びません(いずれも下院)。もちろん政党数や選挙制度等の違いはありますが、他国と比較すればその規模は明らかに小さいことが分かります。
(※一方、「保守派」は今回の分析の対象ではないため、マスコミ等で使われる「いわゆる保守」として分類されることの多い、保守主義、権威主義、新自由主義、愛国主義等の思想を持つグループという定義をそのまま使用します。「リベラル派」には急進的な左翼は含みません。また、安保と原発に対する賛否は政治思想とはレイヤーが異なる話なので、ここでの保守・リベラル分類の要素には含めません。厳密な定義とは異なる部分もありますが、今回は政治思想的な議論には踏み込まないこととします)
なぜ、日本ではリベラルな思想を持った勢力がこれほどまでに弱いのか、その理由について様々な分析が行われていますが、今回はテレビの問題を指摘したいと思います。
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