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セ・リーグに指名打者はいらない

なんでもかんでもパ・リーグに合わせるな

岸田法眼 レイルウェイ・ライター

大谷大谷翔平のような「二刀流」ができる選手ばかりであれば、DH制は必要なのだが……
 プロ野球の日本シリーズは、パ・リーグの福岡ソフトバンクホークスが2年ぶり8回目(前身の南海、福岡ダイエー時代を含む)の日本一に輝いた。パ・リーグは2013年から5年連続日本一。また、ホークス自体、21世紀に入ってから5回目の日本一で、今や日本のプロ野球では、最も強いチームと言えるだろう。

 一方、セ・リーグは2012年の巨人を最後に日本一から遠ざかっているほか、交流戦は2009年を除いて負け越しで、オールスターゲームも通算では負け越し。巻き返しの一環なのか、一部スポーツ紙では、セ・リーグも指名打者制(以下、DH、もしくはDH制)導入を検討しているそうだ。しかし、私は明らかにセ・リーグの“後塵を拝す”姿勢に疑問がある。

DH制導入のメリット

 パ・リーグがDH制を導入したのは、1975年。スタメン(スターティングメンバー)9人全員を野手と指名打者とし、投手は投球に専念できるというものである。もちろん、DHを解除し、その打順に投手を入れることもできる。最近では、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平投手が2016年のクライマックスシリーズで、スタメンDHで出場、9回表に栗山英樹監督がそれを解除して、マウンドにあがらせた。

 DH制のメリットは先ほども述べたとおり、投手が打席に立つ必要性がないので、打線のつながりと投手交代の自由度が増したことだ。また、“打撃力抜群、守備力不安の選手”を打撃に専念させることができるので、“長所”を伸ばせる。

 それが功を奏したのか、1975年以降の日本シリーズは、パ・リーグが25回の日本一に輝いた(セ・リーグは18回)。特に阪急ブレーブス(現・オリックスバファローズ)は3連覇1回、西武ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)は3連覇2回、ソフトバンクは2連覇1回を記録。一方、セ・リーグは1979・1980年の広島東洋カープを最後に、日本一連覇がない。

 21世紀の日本一に絞ると、セ・リーグは5回に対し、パ・リーグは倍以上の12回。セ・リーグにとっては、ファンがパ・リーグに流れてしまうことを懸念しなければならない状況だろう。特に清宮幸太郎選手が入団した日本ハムにとっては、2018年2月のキャンプから空前の“清宮フィーバー”が起こるはずだ。

 セ・リーグのDH制導入案は、日本一奪還への“切札”といえる。とはいえ、すでにオールスターゲームでは、DHを使っているのだが。

DH制導入のデメリット

 DH制のデメリットは、おもに2つ。

 1つ目は、日本シリーズ、交流戦のセ・リーグ主催試合では、投手が打席に入るので、必然的に打順が変わること。DHスタメンの選手は、守りにつくか、控え選手として出番を待つしかない。ただ、メジャーリーグに進む大谷選手にとっては、関係のない話だ。

 2つ目は、

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