大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター
演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
池田が作・演出・出演するハイテンションコメディ エン*ゲキ#03『ザ・池田屋!』
――池田さんが描く作品は透水さんが宝塚でやっていた芝居とは違いますよね。
透水:全然違いますね
――どうアプローチしていかれるのでしょうか。
透水:宝塚では「表現する範囲はここまで」と決まっているところがあったんです。でも、純矢君の芝居ではそれだけではまったく足りなくて。他の俳優さんたちがどんどん面白く自分のキャラクターを出していく中で、置いてきぼりにならないように純矢君に引っ張ってもらって何とか演じることができた。今回の役はもう、ぶっ飛んでるから。
池田:(笑)
透水:また違うところから飛び込んでいかないといけないんですけど。
池田:オリジナルキャラクターなので、手掛かりはこの本の中にしかない(笑)
透水:歴史を勉強して準備することもできないんですよね。ただ、前回は猫背で舞台メイクも素顔に近い感じで、自分が身ぐるみをはがされてスケルトンになった気分でやっていたんですけど、今回はビジュアルも作り込んでできるのが宝塚のエッセンスを使えるかなと思っているんです。どうですか?
池田:楽しみですよ。全然心配してないです。
透水:ビジュアル撮影では「宝塚風メイクでやってください」と言われたんです(笑)。本番はどうなるかな。
池田:浮いてナンボの役なんで、浮いてください(笑)。
透水:はい、ウキウキで(笑)。
――池田さんの作・演出で『ザ・池田屋!』というのも面白いですね。
池田:ハハハ。いや、たまたまなんですけどね。池田屋事件を扱うことになって「タイトルをどうしよう」とめっちゃ考えたんですよ。自分が池田なので、タイトルに池田は使いたくないと思っていろいろ考えたんだけど、結局このタイトルになった。
透水:ぴったりなタイトルですよ!
――池田屋事件といえば幕末、新選組が尊王攘夷派の志士を襲撃した事件として有名です。池田さんは以前、『薄桜鬼』で藤堂平助を演じていましたが、今回の『ザ・池田屋!』にも登場しますか?
池田:歴史として残っている部分は踏襲しながらまったく新しい作品やキャラクターとして作っているので、そこはあまり意識してませんね。まったく別物なので。
――池田さんの役はどのように決めたのですか?
池田:(配役が)余ったからです。
透水:前回もそう言ってた(笑)。
池田:そうなんです。主人公はやらないというのは決めていて、「この人にはこのキャラクターを」とお願いしていった結果、最終的に残った役をいただきました。とても面白いキャラクターで、とてもやりがいのある役だなと思います(笑)。役者のときは脚本や演出が求めていることを体現しなければと思うので、自分でもちゃんと悩んで迷ってやりたいと思います。
◆公演情報◆
エン*ゲキ#03『ザ・池田屋!』
2018年4月20日(金)~30日(月・祝) 東京・紀伊國屋ホール
2018年5月12日(土)~13日(日)大阪・ABCホール
[スタッフ]
作・演出:池田純矢
[出演]
鈴木勝吾/松島庄汰、中島早貴、米原幸佑、河原田巧也/透水さらさ、オラキオ、池田純矢/松尾貴史 ほか
公式ホームページ
公式twitter
〈池田純矢プロフィル〉
ジュノン・スーパーボーイズコンテストで準グランプリを受賞し芸能界へ。テレビドラマ、映画、舞台など幅広く活躍中。2015年エン*ゲキ#01『君との距離は100億光年』で初めて作・演出を手がけ、2017年1月には、第2弾となる、エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』を上演。12月からミュージカル『HEADS UP!』への出演を控える。
★池田純矢公式ツィッター
〈透水さらさプロフィル〉
2006年宝塚歌劇団入団。雪組に配属。2012年「ドン・カルロス/Shining Rhythm!」で初のエトワールに抜擢。同年「JIN -仁-」で新人公演初ヒロイン。15年の退団公演「星逢一夜/La Esmeralda」でも、エトワールをつとめる。退団後の初舞台が、エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』。12月に『安蘭けい ドラマティック・コンサート Golden Age』への出演を控える。
★透水さらさ公式ツィッター