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柿澤勇人が『メリー・ポピンズ』に出演(下)

世界中で愛されるミュージカルの名作が日本初演

大原薫 演劇ライター


柿澤勇人が『メリー・ポピンズ』に出演(上)

ミュージカルは芝居だと思うんです

拡大柿澤勇人=宮川舞子撮影

――1月の『フランケンシュタイン』から始まり、様々なステージでご活躍された柿澤さんの2017年。振り返るとどんな年でしたか?

 その前の2016年は『ラディアント・ベイビー』という舞台をやっている最中にアキレス腱を切って半年くらいリハビリ生活だったんです。やれるはずの仕事が全然できなくて、いろいろな方に迷惑をかけました。その日のベストが尽くせるようにウォーミングアップをして舞台に備えていたのに怪我をしてしまったということで、「自分が役者を続けていていいのか」と思うこともあったんです。復帰作が『フランケンシュタイン』で、舞台に立つ前も立ってからも、緊張とかそういうレベルではなくて怖かったですね。でも、東京から始まり大阪、福岡とやってきて、名古屋の愛知県芸術劇場の大千秋楽で見た景色は忘れられない。「ああ、舞台を続けていきたい」と思う瞬間でしたね。

拡大柿澤勇人=宮川舞子撮影
――そんな思いを抱いて、『フランケンシュタイン』に出てらしたんですね。

 そうですね。演じる上では、(演出の)板垣(恭一)さんがとりあえず全部自由にやらせてくれて、そこからチョイスするという演出の仕方だったので、僕の中でもアイディアがいっぱい浮かんできた。特に2幕の(ビクター・フランケンシュタインと2役で演じた闘技場の主人)ジャック役は「とにかくやってやろう」と思い切ってできたので、自分の中では満足できた作品でした。

――客席がとても熱かったことも印象に残っているのですが、韓国ミュージカルの日本初演作品で、観客の熱をこれほど呼んだのはどうしてだと思いますか?

 ストーリー自体は辻褄が合わない部分もあると思うんです。でも歌のエネルギーと芝居の熱さでカバーしていけたんじゃないかと思いますね。やっていて楽しかったですよね。特にジャックは楽しかった。

――柿澤さんのジャックは特に自由にやっていらしたようにお見受けしました(笑)。

 僕はやっぱりミュージカルは芝居だと思っているんです。もちろん「ミュージカルは美しくなければ」と思うお客様もいらっしゃると思うし、そういう作品があってもいい。でも、僕にとってミュージカルはアトラクションの一つではないので。ジャックは怪物をひどい目にあわせているけれど、そういうのって実際に世界中で起こっていることだから、オブラートに包んで描きたくなかった。やるんだったら徹底的にやりたかったんですね。「カッキー、やりすぎだよ」とストップが掛かったこともあったんですけど(笑)。でも、僕としては楽しくできましたね。

◆公演情報◆
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
2018年3月25日(日)~5月7日(月) 東京・東急シアターオーブ
※3月18日(日)~24日(土)プレビュー公演
2018年5月19日(土)~6月5日(火) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[オリジナルクリエイティブスタッフ]
原作:P.L トラヴァース
オリジナル音楽/歌詞:リチャード・M・シャーマン、ロバート・B・シャーマン
脚本:ジュリアン・フェロウズ
追加音楽/歌詞:アンソニー・ドリュー、ジョージ・スタイルズ
演出:リチャード・エア
共同演出/振付:マシュー・ボーン
共同振付:スティーヴン・メア
日本版演出:ジェームズ・パウエル
振付翻案:ジェフリー・ガラット
音楽スーパーヴァイザー:スティーヴン・ブルッカー
[出演]
濱田めぐみ/平原綾香、大貫勇輔/柿澤勇人、駒田一/山路和弘、木村花代/三森千愛、島田歌穂/鈴木ほのか、コング桑田/パパイヤ鈴木、浦嶋りんこ/久保田磨希、小野田龍之介/もう中学生 (以上ダブルキャスト) ほか
公式ホームページ
 ◆公演情報◆
彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾
『アテネのタイモン』
2017年12月15日(金)~29日(金) 埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2018年1月5日(金)~8日(月・祝) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
[スタッフ]
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
[出演]
吉田鋼太郎、藤原竜也、柿澤勇人、横田栄司 ほか
公式ホームページ
〈柿澤勇人プロフィル〉
高校生のときに観た劇団四季『ライオンキング』に衝撃を受け、シンバを演じたいと俳優を志す。2007年に倍率100倍以上の難関を突破し劇団四季の養成所に入所。同年デビューし、翌年から立て続けに主演を務める。2009年末、更なる活動の場を求め同劇団を退団。最近の出演作品は、『デスノート THE MUSICAL』、ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』、ミュージカル『フランケンシュタイン』、ミュージカル『ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯』など。

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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