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[2017年 テレビベスト5] 年末に動きが?

『ひるおび!』、『監獄のお姫さま』、『おんな城主 直虎』……

青木るえか エッセイスト

 2017年のテレビってちょっと地味だったんじゃないか……と思ってたけど年末にきてバタバタと動きが出てきた……という気になるのは『おんな城主 直虎』のラスト数回がやけにドタバタしたというかコントっぽいというか、そんなんだったからで(いくらなんでも碁盤に碁石で「完」はないだろ。それも白黒びっちりで)、たいした動きはない。

 では私の「テレビこの一年」で思い浮かんだ人や番組、5つについて述べていきます。順不同です。

『ひるおび!』の立川志らく
 ……2017年のテレビ界の総括、最初に挙げるのが立川志らくというのもどうかという気がしますが……『ひるおび!』(TBS系)のコメンテーターとして出てきているのだが、見ていると味わい深い。

 最初はこっちも構えて見ていた。なにしろ立川流だ。談志の弟子だ。その場で反対意見側の極端なことを言ってウケようとして、結果、聞きたくもない右寄りの意見とか聞かされたらイヤだなーと身構えてたのだ。

 でも見てるとそんなこともなかった。そもそも『ひるおび!』自体、そんなリベラル志向なわけじゃなく、といって保守反動まで振り切れるわけでもないので(司会の恵俊彰は保守的な発言が散見されるが他のコメンテーターがわりとたしなめ系のコメントをしたりする)、そこに加入した志らくの立ち位置が難しい。

 それでなくても、ネットでは右寄り左寄りで「ちょっとでもトガッた、極端なこと言ってやろう」という人が山ほどいて、何をどんな角度で言ったって「それもう聞いたし」みたいなことになる。こういうご時世、テレビのコメンテーターは「その場の空気に乗った意見をガス漏れみたいにしゃべってネット民にバカにされる」のが仕事であろう。立川志らくの場合は、まあ他のコメンテーター(弁護士とか)とはちがって「多少偏ったことをヘンクツに述べる若いじいさん」みたいなのを望まれてのレギュラーかと思う。

 でも談志の弟子としてはそんな与えられた場所におとなしく収まってるわけがない。きっと、含蓄がありつつも良識の枠におさまらないコメントを言いたい!と思ってそうで、でも今や何を言っても「どこかで聞いた意見」にしかならず、番組も右ともリベラルともつかない感じでヤジロベエみたいにバランス取っているので、なかなかコレという「立川流ならではのキレる発言」を出せなそうで、しょうがないので顔だけ立川談志っぽい表情だ。その有り様につい見入ってしまう。それでも、とにかくなんでもいいから極端なことを言ってみせたい、というようなことがないので、志らくさんはきっと良識ある人なんだと思う。この先どうなるかわからないが。

『監獄のお姫さま』 ・・・ログインして読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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