インスタ映えの追求が、「自分を盛る」「見栄を張る」ことにならないか
2018年01月15日
昨年(2017年)の新語・流行語年間大賞に、「インスタ映え」が選ばれた。写真や動画共有のSNS、Instagram=インスタグラムで画像の見栄えがいいことを言う。
風景、人物、食べ物、ファッション、インテリア、動物など素材になるものは多種多様だが、インスタ映えには共通項がある。みんなに好印象を与え、注目されそうな写真を投稿すること。おしゃれだったり、かわいかったり、驚き、感動といったインパクトが必要だ。
国内利用者数が2000万人を超えたInstagramは、若い世代を中心に支持されている。アライドアーキテクツ株式会社が実施した調査(2017年11月) によると、10代~20代女性の7割以上が利用。30代女性の約2割は、投稿頻度を「毎日」と回答した。
Instagramを駆使する女性は「インスタ女子」、特に発信力の高いユーザーは「インスタグラマー」と称される。おしゃれな写真を撮影できる場所は「インスタスポット」として注目され、商品の売り上げや観光地の集客に結びつく「インスタ消費」には熱い視線が注がれている。
明治製菓が販売する「THE Chocolate」は、一般的なチョコレートの約2倍という価格設定ながら大ヒット商品となった。ヒット要因のひとつがパッケージのデザイン性。クラフト用紙風の茶色いケースにシンプルなロゴとカカオのマークが、「インスタ映えする」と評判だ。
単なるSNSにとどまらず、さまざまな話題と波及効果を呼ぶInstagramだが、人気を集める背景には何があるのだろうか。
そもそも若い世代は、子どものときからネット環境の中で育ってきた。10年ほど前には、自己紹介文やプリクラ写真を投稿する「前略プロフィール」(2016年終了)、国内SNSの元祖とも言える「mixi」が大流行。インターネットを通じてみずから発信し、誰かと交流することが、自然な感性として定着した世代だ。
さらに、
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