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横綱・稀勢の里よ、兄弟子のもとで進退を懸けろ

場所後は、一番の理解者・西岩親方の部屋に移籍すべきだ

岸田法眼 レイルウェイ・ライター

稀勢の里拡大稀勢の里はこのまま終わってしまうのか…
 「同じことを何回繰り返しているんだ!」

 第72代横綱・稀勢の里の先代師匠、第59代横綱・隆の里(先々代鳴戸親方)が草葉の陰から怒りをぶちまけているだろう。2017年夏場所以降、全休を除き「出場しては休場」を繰り返しており、「横綱の名をけがしている」と言わざるを得ない。次の場所の成績によっては、引き際を考えなければならない状況に追い込まれた。

“温情”を無にするな

 稀勢の里は、2017年春場所13日目の第70代横綱・日馬富士戦で、左肩から胸部にかけて負傷。翌日以降も強行出場して、2場所連続2回目の優勝をもぎ取った。その代償は大きかったのか、同年夏場所以降から低迷が続く。

 2018年初場所前、横綱審議委員会の稽古総見で、稀勢の里は復調がほど遠い状態に、北村正任委員長は「初場所を全休しても、進退を問わない」という考えを示した。おそらく、多くの大相撲ファンは、“初場所は全休する”と思っただろう。

 しかし、当の本人が北村委員長の“温情”を無にするかのように出場した結果、案の定、負けが先行し、6日目から休場した(左大胸筋損傷疑い、左前胸部打撲で3週間の安静)。これにより、横綱在位6場所で優勝1回、26勝22敗42休、勝率5割4分2厘(成績は2018年初場所終了時)。休場は負けの扱いとなるので、42休を「敗」として加算した場合の勝率は、2割8分9厘。「今世紀史上最低の横綱」と言われても致し方ない。横綱推挙後、横綱戦は1勝もあげていないのだから。

 大関以下でこの成績なら、幕下以下に陥落しており、再び這い上がる体力、気力がなければ、引退するしかない。

 一方、横綱は番付降下がない半面、出場するからには本場所の初日までに心技体を整え、万全の状態で優勝争いをしなければならない立場だ。自分の相撲が取れなくなったら、恥をさらす前に引退を決断する。今まで多くの横綱がその道を歩んできた。

 稀勢の里は、「横綱」という地位を理解していないのだろうか。横綱推挙時までの休場はたった1日なので、「体が頑丈」と勘違いしているのかもしれない。また、大関と異なりカド番がないので、特権に甘えているのではないか。横綱というのは、チャンピオンであり、チャレンジャーではない。

 また、稀勢の里には、“出場することが最大のファンサービス”という持論があり、第45代横綱・初代若乃花や先代佐渡ヶ嶽親方(第53代横綱・琴櫻)の格言「土俵のケガは稽古で治せ」も頭にあるのかもしれない。後者については、稽古総見後、急ピッチで稽古に励み、初場所直前の二所ノ関一門の連合稽古で、14勝3敗という結果を出した。ここで“治った”と思い込んだのだろうか。

 番付最高位である以上、「最高で優勝、最低でも優勝」が横綱の宿命で、連続休場と皆勤しての10勝以下は「背信行為」と思ったほうがよい。

師匠、田子ノ浦親方の指導力に疑問 ・・・ログインして読む
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筆者

岸田法眼

岸田法眼(きしだ・ほうがん) レイルウェイ・ライター

2007年1月にライターデビュー。旅、鉄道、小説、時事問題、プロ野球、大相撲、平和などをテーマに執筆。『TRAIN MODELING MANUAL』(ホビージャパン)、『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)、『鉄道ファン』(交友社)、『ハフポスト日本版』などに寄稿している。