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[23]暴言・暴力妻との「契約書」に縛られて

横田由美子 ジャーナリスト

妻からの暴力に悩まされた男性。自分の携帯電話で写したメールの写真などが証拠となり、離婚裁判で役立った(画像の一部を加工しています)拡大妻からの暴力に悩まされた男性。自分の携帯電話で写したメールの写真などを証拠にして離婚裁判に臨んだ(本文とは関係ありません。画像の一部を加工しています)

 「最近の不妊治療の潮流として、男性の側の認識不足や協力不足が指摘されるようになりました。でも、そうじゃないケースもあると知ってほしいんです」

 と、私の「妊活連載」を読んだというタカシさん(仮名、46歳)が、知人のツテをたどって連絡をくれたのは、昨年(2017年)末のことだ。

 その時は詳しいことはわからなかったが、知人曰く、

「不妊治療がきっかけで、奥さんからのモラルハラスメントとDVに悩んでいる」

 という。

 私は、一瞬、耳を疑った。妻側が不妊治療中、夫や義母からハラスメントを受け、精神的に追い詰められるという話は、この取材の過程で散々、耳にしたエピソードだ。

 しかし、今回は、逆のパターンだという。とりあえず、彼に会って話を聞いてみることにした。

妻に蹴りつけられ、噛みつかれ……

 待ち合わせ場所に現れたのは、眼鏡をかけた優しそうな男性で、若い頃はけっこうモテたのではと思う端正な顔立ちをしていた。上背もあり、とても「DV被害者」には見えない。むしろ、ご本人には失礼だが、「実は優しそうな外見とは裏腹に、家ではモラハラやDVが酷かったんだって」などと噂される“加害者”と言われた方が納得できる雰囲気なのだ。

 結婚は3年前。妻は、10歳年下で、華やかなお嬢様タイプの美人だ。フリーランスでアート系の仕事をしており、経済的にも精神的にも自立したキャリアウーマンに見えた。知人の紹介で出会ったが、一流企業でシステム系の管理職をしていたタカシさんは、

 「我(が)が強そうだし、年齢も離れている。自分とは合わないかな」

 という印象を持った。

 しかし、彼女から控えめに、それでも頻繁に誘いが入り、デートを重ねるうちに、彼女が「田舎の味なんだけど」と言って家庭料理をふるまってくれたり、30歳を過ぎているにもかかわらず、あまり恋愛経験がなさそうな“純粋なところ”をかい間見るにつれ、結婚相手として意識し始め、入籍した。

 「今、思えば、 ・・・ログインして読む
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筆者

横田由美子

横田由美子(よこた・ゆみこ) ジャーナリスト

1996年、青山学院大学卒。雑誌、新聞等で政界や官界をテーマにした記事を執筆、講演している。2009年4月~10年2月まで「ニュースの深層」サブキャスター。著書に『ヒラリーをさがせ!』(文春新書)、『官僚村生活白書』(新潮社)など。IT企業の代表取締役を経て、2015年2月、合同会社マグノリアを設立。代表社員に就任。女性のためのキャリアアップサイト「Mulan」を運営する。

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