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スタジオライフ『DRACULA』/下

ドラキュラ伯爵とジョナサンの二役を演じる曽世海司と松本慎也に聞く

真名子陽子 ライター、エディター


スタジオライフ『DRACULA』/上

「ついにきたか!」と思った

拡大曽世海司(左)と松本慎也=宮川舞子撮影

――ドラキュラ伯爵とジョナサンの二役を役替わりで演じる曽世海司さんと松本慎也さんにお話を伺いたいと思います。松本さんは『DRACULA』への出演は3度目になりますが、ドラキュラ伯爵とジョナサンともに初めて演じられます。

松本:僕たちJr.7は2004年に入団したのですが、初めて出演させていただいた公演が『DRACULA』だったんです。その後、2006年の『ヴァンパイア・レジェンド』と『DRACULA』の連続公演に出演しました。今回、ドラキュラ伯爵とジョナサンを演じさせていただくのは、本当に意外でしたね。

――曽世さんはこれまでに出演はされていて、ドラキュラ伯爵をすでに演じられています。

曽世:すべての『DRACULA』公演に出演させていただいています。ドラキュラ伯爵は今回で3回目ですね。2000年の初演時はミナ・ハーカーを演じまして、2004年はドラキュラ伯爵、2006年の連続公演『DRACULA』はセワード、『ヴァンパイア・レジェンド』ではジョージ、2010年はドラキュラ伯爵、そして今回、ジョナサンを初めて演じさせていただきます。

――二つの役を二人で役替わりされるのは、スタジオライフ公演では珍しいですね。

曽世:僕の記憶では、スタジオライフの歴史で初めてじゃないかな。

松本:なかなか、ないですよね。

――そのキャスティングを聞いたとき、どう思われましたか?

曽世:「ついにきたか!」と思ったんです。前からこういう役替わりがあったらおもしろいんじゃないかと思っていて、今までスタジオライフが上演してきた作品で考えたとき、『DRACULA』でやったらおもしろいんじゃないかなと思っていたんです。それで、ついにきたかと。

――そうだったんですね。今回、それが実現してご自身で演じることになりました。

曽世:キャスティングを聞いたときは「おっ、きたな」と思いましたが、実際に立ち稽古などをやってみるとやはり大変だなと感じています。でも、大好きなハードルの高さですね(笑)

僕がやるドラキュラ伯爵を作ろう

拡大松本慎也=宮川舞子撮影

――松本さんはキャスティングを聞いたときどう思われましたか? 意外だったとのことですが。

松本:とにかく、びっくりしました。『DRACULA』は劇団の代表作品のひとつで、笠原(浩夫)さんと海司さんという絶対的存在のドラキュラが入団当時からいらっしゃいました。かっこいいなと思って見ていましたが、自分がドラキュラを演じている姿は想像できなかったんです。僕が持っているキャラクターはドラキュラじゃないなと感じていましたし、ドラキュラをやることはないだろうと思っていました。『ヴァンパイア・レジェンド』に出てくる青年吸血鬼ならいつか演じられる可能性はあるかなと思っていたんですけど、ドラキュラ伯爵をやりたいという思いはなかったです。現実味がなかったですね。今回、ドラキュラ伯爵役でもびっくりですし、ジョナサンとダブルって……大丈夫ですか?って(笑)。

――(笑)。倉田さんに言ったんですか?

松本:はい。

――実際、お稽古が始まって演じてみていかがですか?

松本:倉田さんの演出の元、ビジュアル面も含めて僕がやるドラキュラ伯爵を作ろうと役にアプローチしているんですが、すごく新鮮です。海司さんのドラキュラ伯爵とはセリフの言い回しが違ったりして。

――ダブルキャストの醍醐味はその違いですね。

曽世:全然、違います。いつも言ってますが、今回はさらに違うので、そこが今回のウリだと思います。

――松本さんとのダブルキャストについていかがですか?

曽世:ダブルキャストについてはそんなに意識していないですね。二人でドラキュラ伯爵とジョナサンを交代で演じますので、二人だけで役について相談し合えるんです。ダブルキャストですが相手役でもありますし……そうだ! 相手役だね。しっくりきました。

松本:そう! ダブルキャストの相手というよりは、相手役という印象の方が強いかも。

――なるほど。

松本:ドラキュラ伯爵とジョナサンのシーンは、まったく休めないんです(笑)。いつものダブルキャストなら、もう一方のキャストが稽古しているときに、それを見たりセリフの確認ができたりしてたんですけど。

曽世:ドラキュラ伯爵とジョナサンはほとんど一緒に出ていますから。ホントに相手役というのがぴったりですね。

役作り、経験からくる計算ではいかない

拡大曽世海司=宮川舞子撮影

――スタジオライフさんは、ダブルキャスト、トリプルキャストでの公演がほとんどです。複数の役を演じる大変さは?

曽世:大変なはずなんだけど、そのスタイルに慣れてしまったかもしれません。そういうものなんだなと。

松本:それぞれの役を演じているときの自分を信じていますし、周りもその役として見てくれますし、何も疑うことなくそれぞれの役を演じています。

――今回はまっすぐに役作りができている?

松本:……いや、僕はまだまだですね。ドラキュラ伯爵もジョナサンも初めてですし、特にドラキュラ伯爵は背負っているものが多い役なので、こうかな、ああかなと思いながら必死で探っています。まだまだ浅いところで演じているので、本番までにどれだけしっかりと重みのあるドラキュラ伯爵の核を持てるか……。

曽世:背負っているものを見せたり、見せなかったり、隠したり、でもこぼれたり。その見せ方は相手役によって変わってくるんですよね。今まで何人かのジョナサンと共演していますが、今は松本ジョナサンを探っている途中です。ここでこうするよねといった経験からくる計算ではいかないなと改めて感じているところです。

◆公演情報◆
Studio Life公演『DRACULA ~The Point of No Return~』
2018年2月15日(木)~3月4日(日) 東京・中野ウエストエンドスタジオ
[スタッフ]
原案:ブラム・ストーカー著『DRACULA』
脚本・演出:倉田淳
[出演]
曽世海司 船戸慎士 関戸博一〈WeirD チームのみ〉松本慎也 仲原裕之 宇佐見輝 鈴木
翔音 若林健吾 千葉健玖 江口翔平 吉成奨人 伊藤清之(Fresh) 鈴木宏明(Fresh) 前木健太郎(Fresh) /宮崎卓真(客演)
※WeirD チームと AberranT チームのダブルキャスト公演
※Fresh は劇団研究生
公式ホームページ
〈倉田淳プロフィル〉
東京都出身。1976年、演劇集団「円」演劇研究所に入所。第1期生。芥川比呂志に師事。氏の亡くなる1981年まで演出助手をつとめた。1985年、河内喜一朗と共にスタジオライフ結成、現在に至る。劇団活動の他、1994年より西武百貨店船橋コミュニティ・カレッジの演劇コースの講師を務めた。また英国の演劇事情にも通じており、その方面での執筆、コーディネーターも行っている。
〈曽世海司プロフィル〉
劇団の作品を中心に外部公演への客演、落語やトークライブなど幅広く活躍中。スタジオライフでの主な出演作品は、『はみだしっ子』『エッグ・スタンド』『Daisy Pulls It Off』『BLOOD RELATIONS~血のつながり~』『THREE MEN IN A BOAT+ワン』『トーマの心臓』『アドルフに告ぐ』など。
〈松本慎也プロフィル〉
スタジオライフ公演のほか、外部公演への出演も多数。スタジオライフでの主な出演作品は、『はみだしっ子』『THE SMALL POPPIES』『エッグ・スタンド』『BLOOD RELATIONS ~血のつながり~ 』『トーマの心臓』『アドルフに告ぐ』など。

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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