メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

太田基裕インタビュー/上

ミュージカル『Romale』、カルメンとの駆け引きをしっかりと見せたい

真名子陽子 ライター、エディター


拡大太田基裕=宮川舞子撮影

 ミュージカル『Romale(ロマーレ)~ロマを生き抜いた女 カルメン~』に、カルメンに翻弄されるイギリス貴族、ローレンス役で出演する太田基裕のインタビューを行った。

 カルメンがロマ族としてどのように生き抜いたのか――演出・振付を担う謝珠栄が新たな視点で描かれるミュージカル『Romale』。1830年スペインのセビリアを舞台に、衛兵のホセ(松下優也)とロマ族のカルメン(花總まり)の燃え上がるような宿命の恋が描かれる。ホセの上司・スニーガ中尉(伊礼彼方)やカルメンの夫・ガルシア(KENTARO)、イギリス貴族・ローレンス(太田)もまた、妖しい魅力をもつカルメンに翻弄されていく――。約50年後、フランス人学者・ジャン(福井晶一)は彼女を知るという老人(団時朗)と出会う。老人の話から浮かび上がってきたカルメンの意外な真実とは……。

 2月中旬に行われた制作発表会見の後にインタビューは行われた。本格的な稽古を前に、まだ役を掘り下げられていないという太田だったが、演じるローレンス役の役作りや、謝珠栄や共演者の印象、演出を受けるときの様子から、2.5次元ミュージカルや再演される『ジャージー・ボーイズ』について、感じたこと思ったことをとても直感的に、そして丁寧に語ってくれた。

恋の盲目さや嫉妬は共感できる

――制作発表会見を終えて、いかがでしたか?

 稽古が始まったばかりでの制作発表会見は今までにない経験でしたし、歌もありましたので少し不安でした。まだ、役作りを深めていない状態での発表会見でしたので、ちょっとふわっとした感じはありましたね。でも、作品に対する緊張感を感じることができたので、これを経てさらに役を深めて素敵なものをお届けしたいなという気持ちになりました。

――作品についてはどんな風にとらえていらっしゃいますか?

 最初、台本を読んだときは難しい話なのかなと思いました。でも、とてもシンプルだなとも感じたんです。恋の盲目さや嫉妬、そういう誰もが持っている人情など、共感できるところもあるので、意外とわかりやすい作品だなと。とても面白い作品になるだろうと思いますし、いろんな方に見ていただきたいですね。

――共感というのは、誰の、どんなところにでしょうか?

 そうですね……例えば嫉妬心って少なからずみんな持っていると思いますし、日常の中でのふとした感情や駆け引きなどは、共感できるところじゃないかなと思います。今作では恋人に対する嫉妬がメインになっていて、お芝居なので誇張はされていますけど、自分の中にあるいろんな感情とリンクして観てもらえるかなと思いますね。誘惑したり、男を手玉にとって魅了したり、カルメンの悪女的な描写もあるので、女性も男性も楽しめるんじゃないかなと思います。これは好奇心ですが、ドロドロした恋愛をしている方が観たらどう思うんだろうと気になっています(笑)。

無駄なセリフがないからこそ、役をどう掘り下げていくか

拡大太田基裕=宮川舞子撮影

――演じるローレンス役についてはどうとらえていますか?

 まだ、自分の役まで感覚がたどり着いていないので、わからないというのが正直なところなんですけど…。カルメンに魅了されながらも何か裏があるんじゃないか、というのを感じとっている役なので、その何かあるなと思いながらも近づいていくという駆け引きを、しっかりとお芝居で見せたいなと思っています。また、ホセが現れてからの3人の繊細な空気感を表現できたらいいなと思いますね。人間の業というか、そういうところをいいバランスで出したいですし、同じく翻弄されるほかの二人(スニーガ=伊礼彼方、ガルシア=KENTARO)とはまた違う雰囲気や色を出せたらおもしろくなるんじゃないかなと思っています。

――ほかの二人はスペインで、太田さんはイギリス。そもそも国が違いますね。

 そうですね。国も違えば人間性もバラバラです。それぞれのキャラクターの色をはっきりと出すことで、カルメンがいろんな男を翻弄している、ということが表現できるんじゃないかなと思いますし、明らかになってくるカルメンの真実がより深まるんじゃないかなと思います。

――台本を読ませていただいたのですが、確かにとてもシンプルなお話ですね。だからこそ、役者さんの技量に委ねられているなとも。

 そうなんです。無駄なセリフがないんですよね。だからこそ、役をどう掘り下げていくかということが、今回の大きな課題だなと感じています。

――心情の見せ方などですね。

 ローレンスが持っている空気感は、スニーガやガルシアとは全然違うんですよね。その表現の仕方をどうするか……すごく難しいなと感じています。稽古に入ってから、伊礼さんやKENTAROさんがどういう色を出してくるのかを感じながら、役に入っていけたらいいなと思っています。

◆公演情報◆
ミュージカル『Romale(ロマーレ)~ロマを生き抜いた女 カルメン~』
2018年3月23日(金)~4月8日(日) 東京・東京芸術劇場 プレイハウス
2018年4月11日(水)~21日(土) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
[スタッフ]
演出・振付:謝珠栄
原作:小手伸也
台本・作詞:高橋知伽江
音楽監督・作曲:玉麻尚一
[出演]
花總まり/松下優也/伊礼彼方 KENTARO 太田基裕/福井晶一/団時朗 ほか
公式ホームページ
〈太田基裕プロフィル〉
2009年ミュージカル『テニスの王子様』で舞台デビュー。主な舞台出演作品は、ミュージカル『刀剣乱舞』『手紙』『スカーレット・ピンパーネル』、舞台『黒子のバスケ』『マスカレイドミラージュ』など。5月からミュージカル『アメリ』、9月からミュージカル『ジャージー・ボーイズ』再演への出演が決まっている。
太田基裕オフィシャルブログ

・・・ログインして読む
(残り:約2038文字/本文:約4469文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

真名子陽子の記事

もっと見る