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男役10年目 攻めの視線、攻めの姿勢/朝美絢

【宝塚~朗らかに~】単独初主演で源義経役

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ3月22日紙面(東京本社発行版)より】

拡大単独初主演へ意気込む朝美絢(撮影・奥田泰也)
 今春10年目を迎える雪組の人気スター、朝美絢(あさみ・じゅん)が、故郷・鎌倉の英雄、源義経を演じて単独初主演に臨む。作品は「義経妖狐夢幻桜(よしつねようこむげんざくら)」。NHKの大河ドラマで義経を演じた滝沢秀明の憂い、悩みを参考に役作り。「男役10年」の節目には「攻めたい」と目標を口にした。兵庫・宝塚バウホールで29日に開幕し、4月9日まで。

 バウ単独初主演作の役は、故郷のあこがれ人だった。源義経を主人公にした和風ロックミュージカルだ。

 「鎌倉出身なので小学校の頃、授業で源氏について調べましたし、修学旅行で平泉にも行きました」

 義経の兄、源頼朝が初の武家政治を敷いた神奈川・鎌倉で育った。義経が兄に追われ、落ち延びた岩手・平泉への修学旅行の思い出と、今作を重ねあわせる。

 「義経のその後、夢の中の話といいますか、ファンタジーですね。キツネに幻の村へ導かれていきます」

 キツネにふんする3期下の星南(せいな)のぞみがヒロイン。淡い恋もある。人に翻弄(ほんろう)され、葛藤する義経役にあたり、大河ドラマの滝沢秀明を参考に役作りに励む。

 「(演出の)谷(貴矢)先生から葛藤、迷いを見せて、と言われまして。(滝沢が義経を演じた)大河ドラマを見ていると、情がすごくあった人だと思いました。でも、情だけでは許されない時代ゆえに、悩みもあったろうと。子供の頃は『地元のヒーロー』って思っていましたが」

 自身は今、センターの重みを実感する。

 「でも、あまり真ん中だからって思わないように。いつも通り、役に集中して立っていようと」

 浮足立つことはない。義経らしい、身軽な身のこなしも意識している。

 「めっぽう強い義経なので、筋トレに励んでいます(笑い)。マントも着るので、ダンスの中にも優雅さを出していきたい」

 権力を握った兄から追われる身になっても、忠実な従者を失わなかった義経から、リーダー像も学ぶ。

 「情でつながる仲間がたくさんいた。彼の人柄によると思います。優しさとリーダーシップ。私もそんな風になれたらいいなと、すごく思っています」

 昨年5月、月組から雪組へ。「男役10年」を前にした転機。意識も変わった。

 「こなさなければ、というプレッシャーより、与えられたことを絶対、想像以上のレベルで見せてやろうと思うように。このままの勢いで進んでいけたら」

 舞台姿はもちろん、素顔も美貌の人。外見をほめられることに以前は戸惑いもあったが、今は前向きにとらえている。

 「ビジュアル面を取り上げていただくことも多いですし、おしゃれも大好きなので、その先端をいけたら。タカラジェンヌなので、きれいでいたいなとは思いますよね」

 勝負の1年になる。

 「10年目となった先輩たちはドシッとしたイメージがあったので、私ももっと落ち着けるかなと思っていたんですけど(笑い)。でも今、いい意味で余裕が出てきた。だからこそ、攻め続けたい。今年は攻める。いろんな物を見て吸収して、作品や役には、ニュートラルで向かいたい」

 満面笑み。瞳はキラキラ輝く。確かな自信が宿っている。

 ◆「義経妖狐夢幻桜」(作・演出=谷貴矢氏) 天才軍略家のヨシツネ(朝美絢)は、平家を打倒した英雄。だが、兄のヨリトモ(永久輝せあ)から存在を危険視され、追われる身となっていた。逃避行を続けるうち、ツネ(星南のぞみ)と名乗るキツネつきの少女と出会う。少女の願いをかなえる約束をし、従者ベンケイ(真那春人)とともに、隠れ里へ導かれて不思議な村へ入る。幻想的な世界観を下敷きにした和風ロックミュージカル。

 ☆朝美絢(あさみ・じゅん)11月6日、神奈川県鎌倉市生まれ。09年入団。95期生。月組配属。14年「PUCK」で新人公演初主演。15年バウ・ワークショップで暁千星とダブル主演。前トップ龍真咲の退団公演だった16年「NOBUNAGA」では初の女役。昨年5月、同期の月城かなとと入れ替わり雪組へ。身長169センチ。愛称「あーさ」「J」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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