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白洲迅、『シラノ・ド・ベルジュラック』出演/上

2年ぶりの舞台、口下手な役に共感

真名子陽子 ライター、エディター


拡大白洲迅=岸隆子撮影

 純愛物語の名作『シラノ・ド・ベルジュラック』が5月~6月に東京と大阪で上演される。1897年に初演されパリ中を虜にしたと言われた本作は世界各国で上演され、ミュージカルにもなっており、1世紀を経てもなお上演され続けているフランスの戯曲である。

 今回、その戯曲をエンターテインメント性あふれる冒険活劇として、マキノノゾミ・鈴木哲也の脚本、鈴木裕美の演出で創られる。古典の美しい言葉と現代のわかりやすい言葉が織り交ぜられたセリフを、吉田鋼太郎(シラノ)、黒木瞳(ロクサーヌ)、大野拓朗、白洲迅(クリスチャン/Wキャスト)が舞台上で交錯させる。

 2年ぶりの舞台出演となるクリスチャン役・白洲迅に話を聞いた。作品の印象や共感するというクリスチャン役について、映像作品でも活躍する白洲の役者としての今の思いなどを素直に語ってくれた。

クリスチャンはとても純粋でおバカな一面も(笑)

――台本を読んでみての感想を聞かせて下さい。

 いわゆる古典の戯曲ですが、上演台本がとても現代的に作られていて、今使う言葉がふんだんに取り入れられています。特に僕が演じるクリスチャンのセリフには「~~っすよ!」といった若者言葉が入っていたり、現代の漫画の名前がでてきたり、すごく見やすいと思いますし単純に笑いました。でも、その笑いから戦地でシラノとロクサーヌと過ごすシーンや、最後のシラノの死に際のセリフは胸の奥にドンと突きつけられましたね。

――演じるクリスチャンの人物像はどのように捉えていますか?

 とても純粋な人だと思います。熱い思いを言葉にできないところなど、僕も口下手なので共感しました。天真爛漫で場の空気を読めないところもあるので(笑)、イライラされる場面もあるかもしれませんが、おもしろおかしく見ていただけたらいいなと思います。

――ご自身も口下手なんですか?

 いろいろな思いはあるのですが、うまく言葉にできなくて。言いたいことはこんなことじゃないのに、と思うことがよくあるんです。

――それは相手が友達であってもですか?

 そうですね。最近は少しずつ良くなっているのですが、こういった取材や記者発表、打ち上げでスピーチするときなどうまく話せなくて……話の上手な方は本当にすごいなと思います。

――役者さんってお話するのは得意なのかなと思っていました。

 僕は苦手で(笑)。役を演じていれば大丈夫なのですが、自分の言葉になると、口の中に鉛がどんどん詰め込まれていくみたいに重くなっていくようで(笑)。

――そうなんですね。記者発表だと前もって考えられたり……。

 多少は考えます。今までは口下手なくせに、事前に考えた言葉は本物じゃない!みたいなよくわからないプライドがあって(笑)。でも、いざそういう場に立つと思うように話せなかったんです。

◆公演情報◆
『シラノ・ド・ベルジュラック』
2018年5月15日(火)~30日(水) 東京・日生劇場
2018年6月8日(金)~10日(日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
[スタッフ]
作:エドモン・ロスタン
上演台本:マキノノゾミ 鈴木哲也
演出:鈴木裕美
翻訳:石野香奈子
音楽:清塚信也
[出演]
吉田鋼太郎、黒木瞳、大野拓朗・白洲迅(Wキャスト)、大石継太、石川禅、六角精児 ほか
公式ホームページ
〈白洲迅プロフィル〉
2011年、舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』でデビュー。ドラマや映画にも多数出演している。主な出演作品は、舞台『花より男子 The Musical』『ダブリンの鐘つきカビ人間』ドラマ『愛してたって、秘密はある。』『明日の君がもっと好き』『僕だけがいない街』、映画『リバーズ・エッジ』など。6/2に映画『EVEN~君に贈る歌~』が公開される。
白洲迅公式ホームページ
白洲迅公式instagram
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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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