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【公演評】宙組『天は赤い河のほとり』

真風涼帆が宙組8代目トップ就任へ。人気少女漫画と初演レビューで宙組20周年を飾る

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『天は赤い河のほとり』公演から、カイル役の真風涼帆=岸隆子撮影

 宙組公演、ミュージカル・オリエント『天(そら)は赤い河のほとり』、ロマンチック・レビュー『シトラスの風-Sunrise-』~Special Version for 20th Anniversary~が、3月16日、宝塚大劇場で初日を迎えました。

 1998年、宝塚5つ目の組として誕生した宙組は長身スターが多く、都会的な雰囲気で宝塚に新たな歴史を刻んできました。あれから20年。記念すべきこの年に、宙組8代目トップスターを担う真風涼帆さんが、娘役トップとなる星風まどかさんとともに、大劇場でお披露目を飾ります。

 原作は1995年から2002年に連載され人気を呼んだ、篠原千絵さんの『天は赤い河のほとり』。花組の大劇場公演『ポーの一族』に続く人気少女漫画のミュージカル化で、宝塚らしい豪華さとラブロマンスにあふれた明るい作品です。宙組誕生時のショー『シトラスの風』のニューバージョンと合わせた華やかな2本立てが、新トップ誕生のお祝いと春爛漫の季節にふさわしい公演となりました。

真風のリアル少女漫画感にうっとり

拡大『天は赤い河のほとり』公演から、カイル役の真風涼帆(右)とユーリ役の星風まどか=岸隆子撮影
 真風さんは2006年初舞台の92期生。春野寿美礼さんと水夏希さんに似たマスクで、早くから注目されていました。宝塚男役になるために生まれてきたようなルックスと、おっとりしたキャラクターの“ギャップ萌え”もファンのハートをくすぐりつつ、2015年には星組から宙組へ組替え。長身でスマートな持ち味が宙組にマッチし、朝夏まなとさんとのコンビでさらにたくましくなり、トップスターへの階段を着実に上ってきました。

 そんな真風さんに『天は赤い河のほとり』はまさにピッタリでしょう。人望と武力を備えたイケメン皇子とおてんば女子高生のラブロマンスなんて、ハマらないわけがない。

――紀元前14世紀、古代オリエント。ヒッタイト帝国の首都ハットゥサで、暁の明星輝く明け方、第三皇子カイル(真風)は、現代からタイムスリップしてきた鈴木夕梨(=ユーリ/星風)と出会う。自分の息子を帝位につかせるため、他の皇子たちの殺害をたくらむ皇妃ナキア(純矢ちとせ)が、呪術のいけにえとしてユーリを呼び寄せたのだ。元の時代に戻れるチャンスは、再び暁の明星輝く1年後。カイルはユーリをナキアから守るため自分の側室にし、必ず元の世界に戻してやると約束するのだが……。

 きらびやかなコスチュームを着て颯爽と登場した真風さんは、“リアル少女漫画”の美しさ。宝塚ファンだけでなく、原作ファンもうっとり間違いなしでしょう。女性にモテモテで、ユーリにも大胆に迫るので、一見、プレイボーイと思わせますが、実は誠実な紳士なところがたまらない。ユーリをはじめ仲間や民衆を優しく包み込み、やがて国を治めていくカイルの姿は、これからの真風さんを表しているようでした。

◆公演情報◆
ミュージカル・オリエント『天(そら)は赤い河のほとり』
ロマンチック・レビュー『シトラスの風-Sunrise-』~Special Version for 20th Anniversary~
2018年3月16日(金)~ 4月23日(月) 宝塚大劇場
2018年5月11日(金)~ 6月17日(日) 東京宝塚劇場
[スタッフ]
『天(そら)は赤い河のほとり』
原作:篠原 千絵「天は赤い河のほとり」(小学館)
脚本・演出:小柳 奈穂子
『シトラスの風-Sunrise-』
作・演出:岡田 敬二
公式ホームページ

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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