協会執行部は有識者、経営のプロに交代させるべきでは
2018年04月11日
相撲の起源は、「五穀豊穣を願って神にささげる力比べ」と言われており、その神様は女神様である。ほかの女性が土俵にあがると、女神様が嫉妬することから、女人禁制になったという(諸説あり)。
以前、ある女性が「本場所千秋楽の表彰式で土俵にあがりたい」と申し出たところ、ある理事長は「女性が土俵にあがると、相撲の神様が怒る」という理由で断った。女性が神聖な土俵にあがると、未曽有の大災害が起こるとでも言いたかったのだろうか。
今回の件で疑問が2つある。
1つ目は、土俵にあがった女性数人は、「神聖な土俵は女人禁制」であることを知らなかったのだろうか。もし、知っていたら、土俵にあがることを躊躇したかもしれないし、それでもあがったとしたら、勇気ある行動だとも言える。その結果、多々見市長は一命を取り留めたのである。
行司が「女性は土俵から降りてください」と発したのも、「相撲の神様が怒る」と恐れたのだろう。大相撲に対する真摯な姿勢、神聖な土俵を守る姿勢は理解できる。ただ、人命にかかわることであれば、相撲の神様は怒らないはずだ。今回の件は、「相撲の神様が今の角界に天罰を与えた」と思いたい。「伝統はルールではない」のだと。
参考までに、あるテレビ番組で、確か神社に設置された土俵で、女児が遊んでいる姿を見たことがある(相撲をとっていたのではない)。また、日本女子相撲連盟(公益財団法人日本相撲連盟の加盟団体)も存在しており、こちらも“神聖な土俵”で、女性力士たちが相撲道を歩んでいる。よって、女性が大相撲の土俵にあがっただけで、相撲の神様が怒るとは考えにくい。
2つ目は、巡業部長の春日野親方(元関脇栃乃和歌)の行動だ。
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