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宙組初出演「一番好きなショー」で卒業/星条海斗

【宝塚~朗らかに~】退団公演は「天は赤い河のほとり」

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ4月12日紙面(東京本社発行版)より】

拡大退団公演への思いを語る専科スターの星条海斗(撮影・渦原淳)
 専科スターの星条海斗(せいじょう・かいと)が退団公演に臨んでいる。宙組公演「天(そら)は赤い河のほとり」「シトラスの風-Sunrise-」に、主力として出演中だ。アメリカンスクール出身。宝塚18年の集大成へ、圧倒的な存在感を発揮している。宝塚大劇場は23日まで、東京宝塚劇場は5月11日~6月17日。東京公演千秋楽をもって、退団する。

 「宝塚は私にとって高校であり、大学であり、大学院でした。最後は…グッときちゃいそうですね。いや、もうきていますね」

 00年入団。米国人を父に持ち、独特のオーラでファンを魅了。月組から15年7月に専科へ移った。

 「(専科から昨夏出演した)花組公演(邪馬台国の風)が充実していて、その前にディナーショーも2回やらせていただいて、外の世界に興味がわいてきた」

 月組時代の後輩、明日海りおがトップを務める花組公演後、退団を決意した。

 「宝塚ではみな、18年生の星条海斗を見てくれる。でも、確立されてしまった寂しさもあった」。そんな折、渡米して演劇学を学び、帰国した卒業生の「演劇論」を知り、「外」への興味を抑えられなくなった。

 「アメリカの演劇メソッドを知って、もっといろんな経験、長い人生の中でしたいと思うようになった」

 英語は母国語。退団後の女優活動は「男役なので女役に想像がつかない。どんな声でやるのかも」と笑う。一方で「合理的な国」と言う米国へ帰り、演劇学を学び、将来は後輩に教えたい気持ちもある。

 「ハリウッドでは、1年以上をかけて、肉体も変えて役作りをしている。学んだことを教えることにも興味がありますね。何に困っているかが分かるから、助けになればとも思う」

 アメリカンスクールの中学時代、宝塚を知り、ファンになった。専科へ移り、他組を知り愛は深まった。

 「宙組には初めての出演。(代名詞ショーの)シトラスの風みたいな組。宙組で卒業でき、幸せです」

 100年を超える劇団にあって、宙組は20年の若い組。発足時からの組子で、08年から組長を務める寿つかさが“若い組”の個性を生かしつつ、伝統も守る。「すっしー(寿)さんは優しく、思いやりがある。だから前向き」と感じた。

 今作「天の河-」では、敵役の皇妃ナキアの側近を好演。「セリフが少ない分、心の声を表現するチャンス」。ショーは宙組発足時に上演した「シトラスの風」の20周年版。宝塚音楽学校の予科生時代に初演を見た。「一番好きなショー。そこに自分がいるなんて感無量」と振り返る。

 宝塚大劇場公演の開幕後数日は「『シトラスの風』を見ていた頃の自分が走馬灯のようによみがえり、泣いちゃった」と照れた。

 「でも、今は、旅立つんだなという前向きな思い。最後のあいさつは、ありのままの自分で、気負わずに」とも話す。18年分の愛を詰め込んで卒業の日へとひた走る。

 ◆ミュージカル・オリエント「天(そら)は赤い河のほとり」(脚本・演出=小柳奈穂子氏) 篠原千絵氏の傑作漫画が原作。舞台は紀元前14世紀、古代オリエントのヒッタイト帝国。世継ぎ候補の皇子カイル(真風涼帆)が、タイムスリップしてきた現代の女子高生(星風まどか)と出会い、ともに戦う。実子に皇位を継がせたい皇妃ナキア(純矢ちとせ)はカイルの命をねらい、星条はナキアの側近ウルヒを演じている。

 ◆ロマンチック・レビュー「シトラスの風-Sunrise-」(作・演出=岡田敬二氏) 98年の宙組誕生時に上演された「シトラスの風」の最新版。

 ☆星条海斗(せいじょう・かいと)7月19日、横浜市生まれ。父が米国人で、米国暮らしを経て、アメリカンスクール(中3)で、宝塚を初観劇。バレエ、声楽、児童劇団の経験もあり、受験し合格。00年入団。月組配属。06年「暁のローマ」で新人公演初主演。15年7月、専科へ移り、16年10月「FALSTAFF」でバウ初主演。身長173センチ。愛称「マギー」「りっちゃん」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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