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早霧せいな、退団後初のミュージカル出演/上

主演舞台『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』でラブ・コメディに挑戦

米山麻美子 ライター


拡大早霧せいな=岸隆子撮影

 トニー賞4冠に輝くミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、5月~6月に大阪と東京で上演される。キャサリン・ヘプバーンとスペンサー・トレイシー共演の映画『女性No.1』をもとに、ピーター・ストーン(映画『シャレード』、ミュージカル『タイタニック』など)の脚本、『シカゴ』『キャバレー』『蜘蛛女のキス』などを手がけたジョン・カンダー&フレッド・エッブの作曲・作詞コンビで制作されたミュージカルだ。1981年のブロードウェイ上演時には、トニー賞の主演女優賞ほか脚本賞、オリジナル楽曲賞、助演女優賞の4冠に輝いている。

 主演の早霧せいなが演じるのは、政界や芸能界にコネクションを持ち、スクープを連発する人気ニュースキャスターのテス・ハーディング。完璧を求めて仕事に邁進する彼女が、風刺漫画家のサム(相葉裕樹)と恋に落ち、迫られる選択とは?

 宝塚歌劇団退団後はじめてのミュージカル出演で、さらにはじめて通し役としての女性役に挑戦する早霧に話を聞いた。相手役の相葉に指摘されるまで、この作品がラブ・コメディだということに気がついていなかったと笑う表情がやわらかい。気負いを感じさせない軽やかな語り口で、テスの役柄や、相手役の相葉をはじめ多彩な出演者との掛け合いについて、そして元男役恒例(?)のスカート挑戦エピソードなど退団後の生活についても語ってくれた。

思わず数えた……「ほんとうにやるの?」

──台本を読ませていただいたのですが、テスのキャラクターが宣伝ビジュアルからイメージしていたものとは少し違っていて驚きました。

 チラシのビジュアルはどちらかというとクールな感じですが、劇中のテスはもっと押しが強くてガツガツとしたキャラクターですよね。とても奔放で感情的。でも自分なりの信念を持っていて芯が通っている。そんな女性だと思います。

──常に完璧な自分を目指すテスの生き方が痛快です。

 テスはほんとうにワガママで(笑)、まわりの人を右往左往させるのですが、彼女にとっては意味のあるワガママなんです。キャスターとして視聴者に真実の声を届けたいという信念のもと、自分にできることをやっているだけ。一方で、間違いに気がついたらすぐに軌道修正できる柔軟性も持ち合わせている。そこが彼女の魅力的なところだと思います。そして好きな男性の前では弱気になり、感情的になってしまう。そういった人間らしい部分がすごくかわいいんです。

拡大早霧せいな=岸隆子撮影

──早霧さんは、役の感情の揺れをとても丁寧に見せてくれる演技者だという印象があります。テスのさまざまな顔を舞台上で見せてくれるのが楽しみです。

 自分自身もこの役に共感できる部分がたくさんあるので、そこを膨らませながら作っていきたいと思います。ただわたしはテスほど押しが強くはないので(笑)、彼女からパワーや勇気をもらいながらこの舞台に挑みたいなと。退団して初の、ひとつの役として女性役を演じる作品になりますが、テスならそれくらいヘッチャラだろうなと思うので(笑)。

──ストーリーも予想外に“ラブコメ(ラブ・コメディ)”感が強く、「あの早霧さんがラブコメを……しかも女性役で!」とドキドキしました。

 まさかわたしがラブコメのヒロインをやるとは思わないですよね(笑)。最初にお話をいただいて台本を読んだときには、そこまで「ラブコメだ」という意識はなかったのですが……。でも、思わずキスシーンの回数は数えました(笑)。

──数えましたか(笑)。

 これ、ほんとうにやるの? どうするんだろう!? と思いながら台本を読みました。実はわたし、宝塚時代からキスシーンが苦手なんです。見るのも、やるのもだめ(笑)。でもファンのみなさんは……お好きですよね(笑)。

──その場面になると、客席で一斉にオペラグラスが上がります。

 そうなんです(笑)! わたしはどちらかというと観客として客席にいるときも、キスシーンになるとむしろ冷めてしまうんです。だって、そこまでしなくても「このふたりは愛し合っているんだな」とか伝わるじゃないですか。とはいえ、海外の人はスキンシップが多いことはわかります。テスもアメリカ人の役ですから、覚悟はしています(笑)。

◆公演情報◆
ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
2018年5月19日(土)~27日(日) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2018年6月1日(金)~10日(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター
[スタッフ]
原作:ピーター・ストーン
作曲:ジョン・カンダー
作詞:フレッド・エッブ
上演台本・演出・訳詞:板垣恭一
音楽監督:玉麻尚一
[出演]
早霧せいな、相葉裕樹、今井朋彦、春風ひとみ、原田優一、樹里咲穂、宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー)ほか
公式ホームページ
〈早霧せいなプロフィル〉
2001年、宝塚歌劇団入団。宙組に配属。2009年に雪組へ組替えし、2014年に男役トップスターに就任。『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-/ファンシー・ガイ!』『星逢一夜/La Esmeralda』『るろうに剣心』など、話題作に主演し、2017年『幕末太陽傳/Dramatic “S”!』にて退団。退団後、コンサート『SECRET SPLENDOUR』に出演。今作が退団後初のミュージカル作品への出演となる。
早霧せいなオフィシャルファンクラブ
早霧せいなinstagram

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筆者

米山麻美子

米山麻美子(よねやま・まみこ) ライター

東京都出身。2013年より兵庫県在住。小学校から高校まで部活動は演劇部ひとすじ。大学の芸術学部演劇学科に進むも、入学したとたんに興味が映像や障害者福祉など別分野に移り、成人後しばらくは劇場から離れた生活を送る。仕事関係で宝塚歌劇を見たことからふたたび舞台芸術の魅力にはまる。演劇系webサイトで宝塚・ミュージカル・演劇関連の観劇レポートやインタビュー記事を執筆。

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