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中川晃教インタビュー/下

舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~

真名子陽子 ライター、エディター


中川晃教インタビュー/上

星野鉄郎から感じる、誰かに生かされているということ

拡大中川晃教=冨田実布撮影

――16歳の星野鉄郎を演じます。

 16歳を演じると聞いたとき、どうなんだろう? という思いがなかったわけではないんです。でも、鉄郎が自分自身と重なったんです。高校まで仙台で育って、東京へ行きたかったけれど、歌手としてデビューするということがない限り、東京へ行くという選択肢はなかったんです。両親に「原石はどこにいても光り輝く。東京へ行くことがすべてではないでしょう」と言われて……。その言葉になるほどと思って仙台の大学へ入学しました。そして、デビューが決まった時、売れるかどうかなんてわからなかったけれど、自分の中に確固たる自信があって、それだけを持って上京した時の景色を今も覚えてるんですよね。上野駅に着いたんです。東京へ向かってるんだというあの時の高揚感は、鉄郎が旅立つときの気持ちと重なります。

――今の時代に見る意味がある作品だなと感じました。

 いろんな作品が上演されていますが、『銀河鉄道999』は日本のオリジナル作品であること。そこが大きく違うところだと思います。作品のプライオリティが高い作品です。創る人、関わる人たちの熱でもってエンターテインメントは創られます。舞台に立ってお客さまに元気や勇気を届ける、そういう仕事につけていることに誇りを感じるし、すごく幸せなことです。そして、そこに呼ばれるのは自分だけの力だけではないということをちゃんと感じて、今の世の中が求めていること、求められるだろうこと、そういうひとつひとつにちゃんと応えていける自分でありたいです。過去の経験が自分に返ってくるんだと感じられたときに、星野鉄郎はそこを見つめ返させてくれる役なんだなって思いました。

――主人公にそれだけ影響を受けることは、日本オリジナル作品だからこその魅力かもしれません。

 星野鉄郎には運命的なものを感じます。鉄郎がどういう人間かが問題ではなくて、これから旅に出ようとしている少年で、その少年の心の中に情熱がある。その情熱と、松本先生が東京へ出てくる時の「男たるや一度やると決めたら最後までやる」というポリシーが、鉄郎を演じるうえで一番必要なことで、それ以外はなくていいとも思っています。

 例えば、納期までに完成させるといったような決まりごとの多い日常にいるけれど、999=完成させずにその中で足掻きながらも喜びを感じられたら、それが人の心に届いて感動につながり、見に来て良かったと思ってもらえるんじゃないかなと思ったりします。完成させずに…というのは、役者としては歯がゆいですけどね。やるべきことはやらないといけないですから。ひとりの役者として襟を正して、もっとスキルアップしていきたいという欲や目標もあるんだけど、それだけじゃなくて、誰かに生かされているということをしっかりと感じたいです。自分がこうしたいと思ってもそうならないのが人生。その中で自分はどうなりたいのか、なれるのか、そこを星野鉄郎から感じているところですね。

◆公演情報◆
銀河鉄道999 40周年記念作品
舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~
2018年6月23日(土)~30日(土) 東京・明治座
2018年7月21日(土)~22日(日) 北九州・北九州芸術劇場大ホール
2018年7月25日(水)~29日(日) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
※チケット一般販売中
〈お問い合わせ〉東京音協03-5774-3030(平日11:00~17:00)
[スタッフ]
原作・総監修:松本零士
脚本:坪田文
演出:児玉明子
映像演出:ムーチョ村松
銀河鉄道999テーマ曲・中川晃教
音楽:久保田修
[出演]
中川晃教、ハルカ、染谷俊之、矢沢洋子、雅原慶、美山加恋/入野自由/お宮の松、小野妃香里、塚原大助/凰稀かなめ(特別出演)/平方元基 ほか
公式ホームページ
公式ツイッター
〈中川晃教プロフィル〉
俳優、シンガー・ソングライター。2001年デビュー。その後、ミュージカル『モーツァルト!』の主演に抜擢され、第57回文化庁芸術祭賞演劇部門新人賞、読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞を受賞。主な舞台出演作に『HEADS UP!』『‏Beautiful』『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』『フランケンシュタイン』『マーダー・バラッド』『ジャージー・ボーイズ』『グランドホテル』など。『SONG WRITERS』『あかい壁の家』『星めぐりのうた』『銀河英雄伝説 撃墜王篇』『女信長』『ピトレスク』など、舞台出演と同時に楽曲提供もしている。
中川晃教official web site

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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