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妃海風インタビュー(上)

『SHOW STOPPERS!!』出演、ときめきながら一歩ずつ

中本千晶 演劇ジャーナリスト


拡大妃海風=宮川舞子撮影

 舞台『SHOW STOPPERS!!』に出演する妃海風に話を聞いた。『SHOW STOPPERS!!』は宝塚OGとLE VELVETSの夢の共演が話題の作品だ。「一人のエンターテイナーとして」この作品に真摯に向き合う妃海に、今の意気込みやお勧めの場面、さらには敬愛する宝塚時代の相手役・北翔海莉や活躍目覚ましい同期への思いなどについて聞かせてもらった。

 宝塚を卒業して1年半。昨年の4月に女優復活宣言をして以来、舞台やテレビなどで少しずつ活躍の幅を広げている妃海だが、この間の意外な試行錯誤についても率直に語ってくれた。また、「ときめき」が人生のテーマだという妃海ならではの「ときめきファッション」の指南も。可愛いものをこよなく愛するキラキラした一面から、意外と愚直にコツコツ歩んでいく一面まで、多彩な素顔が垣間見えるインタビューとなった。

大先輩との共演、意外と緊張しなかった

拡大妃海風=宮川舞子撮影
――『SHOW STOPPERS!!』では宝塚OGの先輩方との共演になりますが、お稽古が始まってみて、いかがですか?

 大大大先輩との共演ですね。彩輝なおさんや貴城けいさんはファン時代に客席から見ていた方々ですし、大和悠河さんは初舞台の時のトップさんでした。舞城のどかさんは初舞台ロケットを指導してくださったお姉さんでしたし、桜一花さんもトップ娘役時代にかつらや飾りのことでお世話になった方です。本当に不思議な感じがします。

 でも、集合日に皆さんとお会いしたとき、あまり緊張しなかったんです。宝塚時代の私だったら緊張しすぎてお稽古どころじゃなかったでしょうけど、退団すると同じ宝塚出身ということでホッとする存在に感じられたのが自分でもびっくりです。少人数でのショーなので、私も一人のエンターテイナーとしてしっかりしないといけないなと思いました。

――今回は「本物の男性」であるLE VELVETSの皆さんもいらっしゃいますから「男性と女性」「元男役と元娘役」という二種類の関係性があります。その中で妃海さんは「女性」かつ「元娘役」ですよね。

 そうなんですよ。でも、とくに1幕は男役さんも女性として登場し「the 男役」ではないので、自分が娘役だという感じもあまりないですね。

――それは宝塚時代にはなかった感覚では?

 お稽古場に男性がいることによって男役さんも女性になるんですね(笑)。宝塚時代は男役さんが隣にいるとドキドキしましたが、今は僭越ながら、一人ひとりがエンターテイナーであり、みんな肩を並べてスタートをする感じがしました。でも、北翔さんと一緒にお稽古した時はやっぱり娘役に戻ってしまって(笑)、「みちこさん(北翔)が隣にいる」というだけで自然とルリルリしている自分がいました。

――ルリルリって?(笑)

 娘役はルリルリしちゃうんです。 みちこさんの隣だと体が本能的にそうなっちゃうという感じ。

北翔さんとは、憧れの「あの歌」を

拡大妃海風=宮川舞子撮影

――北翔さんとの場面はどんな感じになるのでしょう?

 宝塚の有名な場面ですね。トップコンビ時代の私たちの感じに戻ります。二人で歌合わせしたときも、いきなりその世界にドンと入っちゃう。私は完全に娘役・妃海になり、北翔さんも男役になるのが、まるで異空間に入るみたいでした。

――何を歌われるのでしょう?

 それはお楽しみということで。でも、私も憧れの曲ですし、絶対に喜んでいただけると思います。

――それは楽しみですね。それ以外の見どころや、お気に入りの場面は?

 ソロの曲では大好きな曲があり、舞台で歌えるのがすごく嬉しいです。LE VELVETSさんと歌い継ぐところもあって、これまで本物の男性と歌う機会はなかったので、すごく興奮しました。

――興奮されたんですか(笑)。

 「男の人の声だ!」って(笑)。太く逞しい声で、やはり男役さんとは違いますよね。

――歌い方も変わりますか?

 変わります。娘役の時は頭から上へ声を響かせてという出し方をしていましたが 、今はもうちょっと太い声をおなかから出しています。一曲歌うと汗をかくような感じ。ファンの方はこれまでお茶会などのイベントで聴いたことがある声でしょうけど、「久々にふうちゃんを見たよ」という人は新鮮に感じる声かもしれないです。

――楽しみです。

 あとはMCとして、私が皆さんを紹介するコーナーもあるみたいです。それがどんな感じになるか(笑)。

◆公演情報◆
SUPER PERFORMANCE『SHOW STOPPERS!!』
2018年6月1日(金)~8日(金) 東京・東京国際フォーラム ホールC
2018年6月19日(火)~24日(日) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公式ホームページ
[スタッフ]
演出:三木章雄
[出演]
湖月わたる、彩輝なお、貴城けい、壮一帆、宮原浩暢、佐賀龍彦、日野真一郎、佐藤隆紀(LE VELVETS)、妃海風 ほか
[スペシャルゲスト]
姿月あさと、春野寿美礼、大和悠河、北翔海莉
★壮一帆取材会レポートはこちら
〈妃海風プロフィル〉
2009年宝塚歌劇団入団。星組に配属。2015年『ガイズ&ドールズ』で星組トップ娘役に就任。代表作に『大海賊/Amour それは…』『LOVE & DREAM』『こうもり/THE ENTERTAINER!』がある。2016年『桜華に舞え』/『ロマンス!!(Romance)』をもって宝塚歌劇団を退団。退団後はプレミア音楽朗読劇『VOICARIONⅡ GHOST CLUB』『江戸は燃えているか』に出演するほか、イベント・コンサート等を開催している。
妃海風オフィシャルサイト
妃海風オフィシャルブログ

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筆者

中本千晶

中本千晶(なかもと・ちあき) 演劇ジャーナリスト

山口県出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。ミュージカル・2.5次元から古典芸能まで広く目を向け、舞台芸術の「今」をウォッチ。とくに宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『タカラヅカ流世界史』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ新書)など。早稲田大学非常勤講師、NHK文化センター講師。

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