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『秋川雅史コンサート ザ・ベスト』を開催/下

もっともっと伸びていく、究極の歌声を追い求めたい

米満ゆうこ フリーライター


『秋川雅史コンサート ザ・ベスト』を開催/上

『千の風になって』はもはやクラシックの名曲のよう

拡大秋川雅史=岸隆子撮影

――秋川さんのコンサートは、トークも面白いとうかがっています。事前に台本を書かれるそうですね。

 コンサートで一番大変なのはトークを考えることなんです。2番目は選曲です。トークは僕が人生で経験したことを元に作りますが、経験したことは限られているんですよ(笑)。ドラマティックな経験ほど過去にしゃべってしまっているのでネタがなくなってきて(笑)。それでもいかにお客さんに楽しく聴いてもらえるかというところを考えて作っています。

――特に、関西の人はトークに対しては厳しいですからね(笑)。

 歌だけを聴きたい人にとったら、トークの時間は早く終わらないかなという時間なんです。でも、歌だけにすると、逆にお客さんは疲れてしまう。このバランスは難しいんです。このバランスが一番うまくいくのが大阪なんですよ。しゃべっていても、一つひとつに反応をくれて、楽しんでいらっしゃるのが実感できる。そして、歌もじっくりと楽しんでくれる。大阪の観客はこのバランス感覚がすごいんです。

――今回のコンサートでも披露される、秋川さんの代表曲『千の風になって』ですが、年月を経て、曲自体も進化してきたなと感じますか。

 そうですね。歌い方はそう大きくは変化していないんですが、お客さんのほうが昔と反応が違うんですよ。昔は自分の人生とオーバーラップさせて、涙を流して悲しみを癒やすお客さんが多かったんです。今はこの曲がある程度浸透しきった感じがあって、一つの名曲を聴こうというようになってきていますね。クラシックの一つの作品になってきたのかなという気がします。

――2003年に、秋川さんはミュージカル『十二夜』に出演されています。ミュージカルはいかがでしたか。

 オペラを勉強してきたので、共通するところはたくさんありました。演技をして歌を歌うのはやりがいがあるんですけれど、オペラ界では、連日公演は絶対にないんですよ。たとえ、毎日やったとしても歌い手は中二日は休む。プロ野球のピッチャーと同じで連投はできない。それが、ミュージカルの場合は毎日で、しかも一日2公演の日もある。そのときは初めてだったので、一曲歌うだけの出演で、声の負担がないように考慮されていたんですけど、もし主役や、たくさん歌う役だったら、絶対声が持たないなと思って。ミュージカルは僕には難しいかなと思いました。全員で稽古場で作り上げていくことはすごく楽しくて、今でも興味はあるんですけれど。今後、僕の声の発声に合うスケジュールで、できる役があったら、やってみたいなとは思いますね。

◆公演情報◆
○秋川雅史コンサート ザ・ベスト
2018年7月28日(土) 大阪・NHK大阪ホール
○秋川雅史コンサート ~聴いてよく分かるクラシック 2 ~2018年
2018年8月17日(金) 東京・サントリーホール
公式ホームページ
〈秋川雅史プロフィル〉
1967年愛媛県西条市生まれ。4歳よりバイオリンとピアノを始める。のちに父の指導のもと声楽の道へと転向。国立音楽大学・同大学院にて中村健氏の指導を受けたあと、4年間イタリアのパルマにてデリオ・ポレンギ氏に師事。帰国後ソリストとして数々のコンサートに出演。2007年、シングル「千の風になって」でクラシックの歌手として史上初のオリコンシングルチャート1位を獲得。2014年新国立劇場オペラパレスにてオペラ「カルメン」ドン・ホセ役で出演。実力、人気を供えたテノール歌手として活躍している。
秋川雅史オフィシャルサイト

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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

「三度の飯よりアートが好き」で、国内外の舞台を中心に、アートをテーマに取材・執筆。ブロードウェイの観劇歴は20年以上にわたり、ブロードウェイの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて、現地で取材をしている。

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