手荷物検査は難しい。車内警備の強化、防犯カメラの増設、自由席廃止などの対策を
2018年06月26日
2018年6月9日、東海道新幹線〈のぞみ265号〉東京発新大阪行きが新横浜―小田原間を走行中、男性1人の命が奪われ、女性2人が重傷を負う刺傷事件が発生した。この惨事は、〈のぞみ〉の乗車率が高い新横浜―名古屋間を狙った、通り魔あるいはテロともいえるもので、憤りを覚える。
今回の事件後、一部のメディアでは手荷物検査の導入、金属探知機つき自動改札機の開発を求めていたが、現時点で、鉄道の現場にそれを採り入れるのは、現実的には難しい。
駅の広さ、始発駅の客扱い時間(乗降用ドアが開いてから閉まるまで)、途中駅の停車時間が列車によってまちまちなので、それを導入すると、駅が混乱し、当該列車に乗り遅れる乗客が増える。苦情の原因にもなるだろう。また、手荷物といっても、カバンからスーツケースまで様々だ。空港にある設備を駅に設置したとしても、全席指定の航空機に対し、列車は、指定席と自由席に分かれるため、さらなる混乱を招くのではないか(特に自由席)。
開発して導入したところで利用客の9割がひっかかるだろう。硬貨、ベルト、ファスナーなど、人々は常に金属を身につけている。空港などでのように、バスケットなどに入れて係員に渡したあと、自動改札機を通るようにすれば、さらに手間と時間がかかる。
事件後、気になったのは当該列車の車掌の数だ。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください