メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

眞子さまへの1億円より杉田水脈氏への報酬が…

「究極のイメージ産業」皇室に税金を使う重大さはわかるけど

矢部万紀子 コラムニスト

子さま拡大現在のままでは「婚約」できないと伝えられた眞子さまのお気持ちは……

 皇室は、究極のイメージ産業。

 そう表現していたのは、元朝日新聞記者の岩井克己氏だ。1986年に皇室担当記者になり、2005年に「紀宮さま、婚約内定」の記事を書いて新聞協会賞を受賞、2012年の退社まで皇室をウォッチし続けた。そんな日本を代表する皇室ウォッチャーが「文藝春秋」2016年10月号に寄せた文章の中で、そう書いていた。

 8月8日付の朝日新聞の朝刊1面「『納采の儀 現状では行えない』 秋篠宮ご夫妻 小室さんに」という記事を、その視点で読んでみると、大変わかりやすい。

 書いてあったことをまとめると、

1:眞子さまと小室圭さんを現在のままでは正式に婚約させるわけにはいかないと秋篠宮ご夫妻が判断し、小室家側に伝えた。眞子さまも同席していたし、祖父母である天皇皇后両陛下にも伝えた。
2:小室家側の「金銭トラブル」などは、2017年9月の婚約内定会見までご夫妻も眞子さまも知らされていなかった。
3:結婚は憲法に基づき当事者の意思を尊重すべきだが、同時に皇室の一員としては国民の祝福と理解も不可欠というのが、秋篠宮家の考え。
4:皇族の女性は結婚で皇籍を離れる時に、皇室経済法により「品位を保つため」に国から一時金が出る。眞子さまの場合、1億円超となるとみられる。
5:小室家側は金銭トラブルはないと説明しているが、であれば事実関係を公に説明することが望ましい。これもご夫妻から小室家側に伝えてある。

 以上をさらに短くまとめるなら、長く究極のイメージ産業の中で生きてきた「花嫁の父母」が「お金のことはちゃんとしてください。税金をたくさんもらうんだから」と花婿サイドに伝えたという話だろう。

米国へ向け出発する小室圭さん。搭乗口を通過する際、集まった報道陣に会釈をした=2018年8月7日午後6時8分、成田空港20180807拡大アメリカに出発する小室圭さん。成田空港の搭乗口を通過する際、報道陣に会釈をした=2018年8月7日
 同じ日の朝日新聞には、小室さんが成田空港からニューヨークに旅立ったことも載っていた。小室さんはロー・スクールに留学し、3年で弁護士資格を取る予定だ。

 これによって「弁護士事務所に勤めていながら、パラリーガルという補助的仕事をしている」という問題は解決される、または少なくともそのための第一歩だったのだが、どっちにしても400万円の方を何とかしないとダメだということだろう。花嫁の父母は厳しかった。

 ちなみに私は、パラリーガルでもいいじゃんと思うが、それはいかんという感じで報じるメディアが多かった。400万円というのは、小室さんの母に「貸している」とメディアで訴えている「母の元婚約者」という人が主張している額だ。

「提携解消」ではないが、「立て直し」が急務に


筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

矢部万紀子の記事

もっと見る