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桜井玲香、ミュージカル『レベッカ』出演

アイドルだからできる役へのアプローチをしたい

真名子陽子 ライター、エディター


拡大桜井玲香=岸隆子撮影

 ミュージカル『レベッカ』が2018年12月~2019年2月にかけて、東京をはじめ全国で公演される。女流小説家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に発表した同名小説が原作で、1940年にはアルフレッド・ヒチコックにより映画化され、アカデミー賞2部門で受賞、9部門にノミネートされた。そして、2006年にミヒャエル・クンツェの脚本・歌詞、シルヴェスター・リーヴァイの音楽・編曲によりミュージカル化され、2008年に日本初演。今回が日本で3度目の上演となる。

 上流紳士マキシム役は過去2作に引き続き山口祐一郎、富豪の世話係でマキシムの後妻となる「わたし」役は、山口と共に引き続き大塚千弘、そして平野綾、桜井玲香が入りトリプルキャスト。マキシムの前妻レベッカに仕え、亡き後も屋敷を仕切る家政婦ダンヴァース夫人役を涼風真世と保坂知寿がダブルキャストで演じる。

 「わたし」役を演じる乃木坂46のキャプテン桜井玲香の取材会が行われ、作品や役についての思い、憧れる女性像、舞台のおもしろさ、東宝ミュージカルでは先輩になる生田絵梨花のことなど、朗らかに清々しく語ってくれた。

東宝ミュージカルは夢のまた夢だった

――まずは、あいさつから。

桜井:ミュージカル『レベッカ』で「わたし」を演じさせていだきます。東宝ミュージカルに出演させていただくのは初めてで、ミュージカルの発声法など足りないところは多々ありますが、素晴らしい機会をいただきましたので自分なりにがんばりつつ、楽しんで演じられたらいいなと思っています。よろしくお願いいたします。

記者:東宝ミュージカルへの出演は、以前から希望されていたんですか?

桜井:ミュージカルを見るのはすごく好きなんですけど、東宝ミュージカルへ出演するのは夢のまた夢という感じでした。長くお芝居をやっていきたいという夢がありまして、その中で一度だけでも出られたらと思っていましたが、こんなに早くお話をいただけるとは思っていなかったので、ちょっと戸惑っています。

記者:メンバーの生田絵梨花さんは東宝ミュージカルへの出演経験がありますが、何かお話しされましたか?

桜井:オーディションを受ける前には、どんなレッスンをしたらいいかと相談をしましたし、出演が決まった時もすごく喜んでくれました。「私もまだまだだけど、何かあったらいつでも聞いて!」と言ってくれたので心強いです。

記者:オーディションの手応えはありましたか?

桜井:まったくなかったので、受かったと聞いた時は驚きました。歌は習い始めたばかりだったので、技術的なことよりも気持ちでやるしかないと思いオーディションを受けました。これから先の準備期間を含めて期待してくださったと思いますので、ちゃんと応えられるようにしっかりと準備をしていきたいなと思っています。

記者:舞台と乃木坂46の活動との大きな違いは何でしょう?

桜井:アイドルは基本的に憧れの存在で、常に笑顔でキラキラと可愛らしい姿を見せなければいけないと思っています。お芝居では役によって、負の感情など綺麗な部分だけでなく汚い部分も見せなければいけません。それはアイドルではほぼないことなので、そういう意味では全く違いますね。

私の憧れはポカホンタスやムーランだった

拡大桜井玲香=岸隆子撮影

記者:今持っている「わたし」という役に対するイメージは?

桜井:初演時の資料を見させていただきました。まだ今は表面的なところしか見れていませんが、最初、脚本を読んだ時に「なんて難しい話なんだろう」と、少し暗いお話なのかなと思ったのですが、映像を見ると衣裳が華やかで柔らかい曲も多く、とても明るい印象を持ちました。純粋だった子がどんどん強くなっていく、それが「わたし」という女性で、小さい頃から強い女性像に憧れがありましたから、“まさに私が憧れている人だ”と思いました。今は、とても前向きなイメージを「わたし」という役に感じています。

記者:憧れる強い女性像というのはどういう女性ですか?

桜井:ディズニーなどに出てくる白雪姫やシンデレラに憧れる女の子が多いと思うのですが、私の場合はポカホンタスやムーランでした。「私は立ち向かっていくの!」という女性にものすごく惹かれていました。今でもそれは変わらないです。

記者:映像を見て印象に残った曲はありますか?

桜井:やはり、ダンヴァース夫人の「レベッカ」です。一度聞いただけで耳から離れなくなりました。力強い歌詞ですごく強いイメージがあるのに、メロディーがとても儚(はかな)く美しくて、そのギャップに惹かれます。

記者:反対に歌いにくそうだなという曲はありましたか?

桜井:歌いにくいのとは少し違いますが、「わたし」の歌でお芝居が始まりますので、しっかりと第一声を発することができるか、ということが不安です。緊張するだろうなと思います。

いくちゃんにいろいろ聞こう!って思いました(笑)

拡大桜井玲香=岸隆子撮影

記者:大塚さん、平野さんとのトリプルキャストについてはいかがでしょうか?

桜井:トリプルキャストは正直ありがたいなと思っています。でも、お二人の中に私が入るとは夢にも思っていなかったので、聞いた時はうれしさよりも焦りの方がすごく大きかったですね。お稽古が始まるとお二人の素晴らしいお手本がありますので、自分の個性を出しつつお二人の姿からいろんなものを盗めたらいいなと思っています。すごく勉強になるんだろうなと今からお稽古が楽しみです。

記者:盗めるものは盗んでしまおう、みたいな?

桜井:はい、良いなと思うことは全部ちゃんと盗みたいです(笑)。まさかお二人とご一緒できるとは思っていなかったので、ありがたいなと思います。

記者:主演の山口祐一郎さんの印象は?

桜井: いくちゃんも出ていた『モーツァルト!』を拝見させていただきました。観劇後にご挨拶させていただいたのですが、ご本人を目の前にしてものすごく緊張してしまって、感想をお伝えできず……。でも、その時に「よろしくね! 楽しめばいいんだよ」とあの柔らかいお声で言ってくださったので、不安が少し減りました。とても優しい方でした。

記者:『モーツァルト!』に出ていた生田さんはいかがでしたか?

桜井:いくちゃんは元々清楚なイメージを持っていますので、「ザ・王道」というヒロイン役が多かったのですが、今回はまったく違う役でしたので、稽古中からすごく悩んでいました。でも、実際に観たら「あ、また新しい一面を見せたな。がんばってるなあ」と思いました。いくちゃんはすごく努力をする子なので、ここまでがんばって殻を破っているんだなと、とても刺激を受けました。いくちゃんにいろいろ聞こう!って思いました(笑)。

記者: ビジュアル撮影はいかがでしたか?

桜井:やはり衣裳やウィッグをつけると始まるんだなぁと思いましたし、衣裳デザイナーさんが初演とは違う方なので、今回はこういう感じの「わたし」になるんだと思って楽しみになりました。金髪のショートヘアという今までしたことがない髪形にどういう反応をされるか、とても楽しみです。

記者:金髪のご自身を見ての感想は?

桜井:どうでしょう……すごく不安に思いながら撮影しました。お二人はめちゃくちゃお似合いだったんです。私の中で「わたし」は大塚さんなので、あっ「わたし」だ!と思いましたし、平野さんはとても美形で可愛いなあと思って見ていました。

同じ作品なのに生きているように変わるのが舞台

拡大桜井玲香=岸隆子撮影

記者:お芝居は長く続けたいとおっしゃっていましたが、どういう女優になりたいですか?

桜井:今はいろんなジャンルのお仕事をさせていただく機会があるので、なんでも挑戦させてもらっています。映像のお仕事もすごく好きなので続けていきたいですし、やはり舞台にはものすごく魅力を感じています。今は、どちらかではなく両方とも並行して、「あ、この人舞台もやってるし、映像にも出ているよね」と思っていただけたら良いなと思っています。映像と舞台では演技の仕方に違いがあると思いますので、どちらかに偏るのではなく、どちらの演技もできる役者さんになれたらいいなと思っています。

記者:舞台の魅力はどういうところにあると思いますか?

桜井:舞台は生なので、最初から最後までストーリーを追うことができますから、より役への感情移入がしやすいなと思います。そして、お客さまの反応次第で自分の感情も変わったりします。この日はすごく悲しいセリフだったのに、今日はなんか悔しくて強く当たってしまうセリフに変わったなとか。そういう変化が毎日あるので、同じ作品なのに生きているように変わるのが凄い快感というか、気持ちいいです。

記者:トリプルキャストの中で自分の個性が出せればとおっしゃっていましたが、自分の個性はどういうところにあると感じていますか?

桜井:普段はアイドルとして活動しているので、それをひとつの武器にして、本業として女優さんをされているお二人とは違うアプローチの仕方ができればと思っています。あとは年齢が一番下なんですね。バランス的には背伸びをした方がいいかなと思っているんですけど、それでも経験値的に圧倒的に幼さが出てくると思いますので、そこがうまくスパイスになったらいいなと思っています。

記者:メッセージをお願いします。

桜井:約8年ぶりの再演になります。作品のファンの方もたくさんいらっしゃると思いますし、期待されている方も多いと思います。前回とキャストも変わり衣裳も新しくなっていますので、初演の魅力をしっかり追いつつ、今回の『レベッカ』ならではの良さをさらに上乗せして、パワーアップしたミュージカル『レベッカ』をいろんな方にお届けできたらいいなと思っています。 ぜひ、観にいらしてください。

◆公演情報◆
ミュージカル『レベッカ』
2018年12月1日(土)~12月4日(火) 東京・シアター1010 ※プレビュー公演
2018年12月8日(土)~12月9日(日) 愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
2018年12月15日(土)~12月16日(日) 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2018年12月20日(木)~12月28日(金) 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2019年1月5日(土)~2月5日(火) 東京・シアタークリエ
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
原作:ダフネ・デュ・モーリア
演出:山田和也
[出演]
山口祐一郎/大塚千弘・平野綾・桜井玲香(トリプルキャスト)/石川禅、吉野圭吾/今拓哉、tekkan、KENTARO、出雲綾/森公美子/涼風真世、保坂知寿(ダブルキャスト) ほか

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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