メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

無料

10代目トートはエネルギッシュ/珠城りょう

【宝塚~朗らかに~】「エリザベート」で死神演じる

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ8月23日紙面(東京本社発行版)より】

拡大宝塚10代目トートに臨む月組トップ珠城りょう(撮影・加藤哉)
 月組トップ珠城(たまき)りょうが、宝塚10代目トートに臨む。宝塚歌劇代表作のひとつ「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」は、24日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する月組公演で通算10回目を迎える。演出家の小池修一郎氏も「歴代にないエネルギッシュなトート」と、珠城の個性に期待。珍しいブロンド髪トートになる。東京宝塚劇場は10月19日から。

 エリザベートと黄泉(よみ)の帝王トート(死神)とのからみを軸にしたウィーン発の名作ミュージカル。宝塚版主演10代目の珠城は、近年多かったシルバーではなく、ブロンド髪で「死神」を表現する。

 「髪はウエーブをかけ、ブロンドに。ウィーン版を見ると、かなり感情の起伏とか激しい感じで、静と動の差を出していきたい」

 男役としては恵まれた体格。それゆえ、小池氏も「今までにないエネルギッシュなトート」と期待する。

 「見た目がおっきいっていうのもあると思うんですけど(笑い)。劇場全体を包むエネルギーを意識しながらやってほしい、と。ハプスブルク家を手中に収めていくような力強さも」

 珠城は若手時代、「ロミオとジュリエット」で、踊りだけで表現する「死」を演じた経験がある。

 「ロミオが死の恐怖から『死』を生み出した。トートも、エリザベートから出ていると考えています。実在しない点は同じ。(今作は)加えてエリザベートへの愛、感情がある」

 エリザベート役のトップ娘役愛希(まなき)れいかも“強い”。男役出身でトップ娘役を6年半務め、今作で退団する。

 「確かに彼女が歌う『私だけに』は、自分の意志がより強く出ています。そこに私がトートとして、どう対峙(たいじ)するか。この作品をきちんと完成させて、送り出してあげたい」

 音階で感情を表現する。歌の難易度は最上級だ。

 「音ひとつ、緻密に計算され、そこに感情まで表現されている。ここまでのミュージカルは、なかなかない。音域の幅も広く、高い技術力が求められ、苦戦しています。毎日、毎日」

 フィナーレは「ラテンロックテイスト」になる。

 「小池先生が『珠城の持ち味を生かしたい』と。私のイメージのどこに? と思いましたが(笑い)」

 挑戦する機会を得たことに感謝。この難作に、専科からの出演はなく、月組生だけで臨むこともチャレンジだ。汗が似合うトップは猛暑も苦にしない。

 「稽古場は空調もありますしね! しかも、トートはまったく動かない。こんなに動かない作品は初めて。歌がメインですし、これでいいのか? みたいな…。開幕したら、重い衣装で手袋もして、めちゃくちゃ暑いとは思いますけど」

 子供の頃からアウトドア派。エリザベートのような空想癖は-と問うと「そう見えますか?」と大笑いした。「空想の世界で遊んでいたことは多分ない。外に出て遊ぶことが好きだったので」。“体育会系トップ”が演じる「死神」から、どんな世界観が提示されるのか。珠城自身も楽しみだという。

 ◆「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」(潤色・演出=小池修一郎氏) ウィーンの傑作ミュージカルを、96年に一路真輝主演で雪組公演として宝塚初演。「死(死神)」を「黄泉(よみ)の帝王・トート」とし、エリザベートではなく、トートを主演にして上演された。本場でも歌い継がれる美しい楽曲に、日本版のオリジナルが加わり、音階で心情を表現する難易度の高さで知られる作品。今回、宝塚10回目の上演で、主演珠城は10代目トート。ヒロインのトップ娘役愛希(まなき)れいかが、9代目エリザベートに臨む。上演回数は1000回を超え、観客動員は240万人を記録している。

 ☆珠城(たまき)りょう 10月4日、愛知県蒲郡市生まれ。08年3月入団。月組配属。16年3月に全国ツアー初主演し、同9月に9年目で月組トップ。近年では、7年目の天海祐希に次ぐスピード昇格。昨年1月「グランドホテル」で本拠地お披露目。今年6月は名作「雨に唄えば」で東京公演主演。身長172センチ。愛称「りょう」「たまき」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

Copyright 日刊スポーツ新聞社 記事の無断転用を禁じます。