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お茶の水女子大の英断。だから女子校は必要なのだ

トランスジェンダー受け入れで進む「女子校2.0」化

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 この室伏学長の会見には、称賛の声が目立ちました。たとえば、東京大学教授の安冨歩氏は、「女子大学が、性というものを口実とした差別と戦う研究教育機関と自らを位置付けるのであれば、その口実の範囲を『戸籍上』の女性性に限定せず、より多様な女性性に拡大することは、自然なこと」と述べています。

 ポイントはやはりエンパワーメントをする対象は、「女性」ではなく「女性性」という点でしょう。トランスジェンダーの中に存在する「女性性」も当然これまで様々な差別に遭ってきたわけですから、エンパワーメントの対象となり得るという理屈はもっともです。逆に言えば、たとえ戸籍上が女性であっても、前回の記事「杉田水脈という“名誉男性”が抱える「心の闇」――批判をしても彼女の差別はやめさせられない」で指摘した杉田水脈衆議院議員のような、いわゆる「名誉男性」のような人材を生み出すことは目的としていません。

 学長が述べる見解はトランスジェンダーだけではなく、女性性そのものに視点が向いていることが分かります。ステートメントでも「多様な女性」という言葉が使われているように、トランスジェンダー受け入れによって女性性を画一的な文脈や様式から解放し、性別に対する凝り固まった固定観念が生まれにくいような環境を実現することは、戸籍上女性である女性にも資するという大きな野望が導入の背景にあるわけです。

東京医科大学問題が示した女子大学の必要性

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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