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#MeTooって恋愛なの?

ガルシア・マルケス『エレンディラ』を内田春菊さんと共に読む

前田礼 市原湖畔美術館館長代理/アートフロントギャラリー

内田春菊さん拡大内田春菊さん

内田春菊漫画の衝撃

 内田春菊さんの漫画との出会いは、1984年、私が大学生の時だった。

 それまで大島弓子の漫画で精神形成をしてきた私にとって、彼女の漫画は衝撃だった。そこに描かれていたのは、少女の主観によって現実を少し異化した世界(それは異国であったり、猫の世界であったり、デヴィッド・ボウイ似の少年が恋人だったりする)とは異質な、今、ここにある、リアルであった。

 彼女がやわらかな線で描くメリハリの少ない女性の裸体は、男性の妄想でも、西欧の女性をモデルとしたものでもない、日本人の女性のリアルな身体だった。登場する女性たちの男性や恋愛に対するクールで、時に毒やユーモアを含んだ眼差しは、少女と女との間で自らの立ち位置に戸惑い、ともすれば少女の世界に逃げ込みがちな私に、ある解放感をもたらした。

 だから、読書会「少女は本を読んで大人になる」を再開するにあたって、真っ先におよびしたいと思ったゲストのひとりが内田春菊さんだった。

本は人を介して伝わる


筆者

前田礼

前田礼(まえだ・れい) 市原湖畔美術館館長代理/アートフロントギャラリー

東京大学大学院総合文化研究科博士課程(フランス語圏カリブ海文学専攻)在学中より「アパルトヘイト否(ノン)!国際美術展」事務局で活動。アートフロントギャラリー勤務。クラブヒルサイド・コーディネーター。市原湖畔美術館館長代理。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」「ヨーロッパ・アジア・パシフィック建築の新潮流」等の展覧会やプロジェクトに関わる。『代官山ヒルサイドテラス通信』企画編集。著書に『ヒルサイドテラス物語―朝倉家と代官山のまちづくり』(現代企画室)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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