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星組『Thunderbolt Fantasy』

紅ゆずる率いる星組が日台合同の名作をひっさげ台湾へ上陸! 一足お先に日本で披露

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』公演から=岸隆子(Studio Elenish)撮影

 星組公演、異次元武侠ミュージカル『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』とタカラヅカ・ワンダーステージ 『Killer Rouge/星秀☆煌紅』(アメイジングスター☆キラールージュ)が、梅田芸術劇場で上演されました(9月13日~24日/日本青年館ホール)。

 この作品は、台湾で知らない人はいないと言われている人形演劇で、2016年には日台合同映像企画として新たに制作、TV放映もされアジア各国で人気を博しました。日本でもかつて『新八犬伝』などが人気でしたが、CGなども取り入れ、よりリアルになった現代の人形劇『Thunderbolt Fantasy』は、迫力満点の武侠ファンタジーとして、新たなブームを巻き起こしています。

 そんな人形ならではの繊細な美しさや面白さを、舞台で再現しようとするならば、やはり宝塚歌劇をおいてほかにはないでしょう。ビジュアルを限りなく原作に近づけ、原作と宝塚のどちらのファンも魅了する公演に挑戦したのは、紅ゆずるさん率いる星組メンバー39名。10月末~11月、本場・台湾へ上陸する前に、一足お先に、大阪と東京でお披露目です。(以下、ネタバレがあります)

摩訶不思議な魅力の紅

拡大『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』公演から、凜雪鴉役の紅ゆずる=岸隆子(Studio Elenish)撮影
 梅田芸術劇場のロビーには、実際に動かしている登場人物の人形がずらりと並び、開演前からお客様が列をなして、その美しさに見惚れていました。作品を知らなくても、美しいマスクと豪華な衣装、人形が持つ神秘的な魅力に思わずくぎ付けです。さらに、ショーで大きな羽を背負った宝塚の衣装バージョンも特別に作成・展示されていました。この美しい人形たちが舞台で再現される感動は、またひときわ違ったものになりそうと、開演前から胸が高鳴ります。

――東離の地。雨に降られた旅人の殤不患(ショウフカン/七海ひろき)は、石仏に立てかけられた傘を手にしたところ、鬼鳥(きちょう/紅)と名乗る不思議な男から「雨傘の義理に、最初に出会った人物に慈悲をかけろ」と声をかけられた。そこへ突然、追手から逃げる護印師・丹翡(タンヒ/綺咲愛里)が現れる。殤不患は彼女を救って約束を果たすが、丹翡は、天刑劍(てんぎょうけん)を祀る鍛劍祠(たんけんし)を守る一族だった。丹翡が鍔、兄が柄を守護する天刑劍は、刀身・柄・鍔が揃って初めて台座から引き抜ける聖剣だが、天刑劍を狙う蔑天骸(ベツテンガイ/天寿光希)に兄を殺され、柄を奪われてしまったという。「天刑劍を守り抜くのが私の使命」と悲壮に語る丹翡に、鬼鳥は柄を取り戻すための協力を申し出るのだった。

 紅さんが演じる鬼鳥は本名・凜雪鴉(りんせつあ)。真っ白な長い髪の美しい男で、その正体は謎に包まれています。常にキセルを手にし、優雅で魔訶不思議な雰囲気と、どこか達観したような口調に思わず引き付けられてしまいます。時折、『スカーレット・ピンパーネル』のパーシーがのぞくのもご愛敬? 鬼鳥の語りは常に物語の鍵を握り、ストーリーテラーのような役割も担っていました。

 さまざまな人物を操る謎の風格と、思わずみんなが言うことを聞いてしまいそうなカリスマ性を持つ鬼鳥。派手なアクションや歌などはありませんが、圧倒的存在感は、トップスターが演じるにふさわしい役と言えるでしょう。なにより紅さんのルックスは、ミステリアスな役柄にハマっていて、ゴージャスな衣装も含めた美しさは、隅々まで眺め続けても飽くことがありません。

◆公演情報◆
『Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)』
~虚淵玄 原案・脚本・総監修「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」より~
(c)2016-2018 Thunderbolt Fantasy Project
『Killer Rouge/星秀☆煌紅』(アメイジングスター☆キラールージュ)
2018年8月31日(金)~9月6日(木) 梅田芸術劇場メインホール
2018年9月13日(木)~9月24日(月) 日本青年館ホール
公式ホームページ
【台湾公演】
2018年10月20日(土)~10月28日(日)  國家兩廳院 國家戯劇院
2018年11月2日(金)~11月5日(月) 高雄市文化中心 至徳堂
公式ホームページ
[スタッフ]
『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』
脚本・演出:小柳奈穂子
『Killer Rouge/星秀☆煌紅』
作・演出:齋藤吉正

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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