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大坂なおみ胸キュン日本語が日本スポーツ界を救う

人の心に触れるには「自分の頭」と「自分の言葉」。それしかない

矢部万紀子 コラムニスト

大坂なおみ選手英語に日本語を交えながら報道陣の質問に答える大坂なおみ選手=2018年9月13日、日本に到着しての記者会見で

 日体大の駅伝監督が解任された。パワハラや暴力があったそうだ。併走車から「ひき殺すぞ」と暴言を吐いたなどと報道されている。日体大の学長は、具志堅幸司氏だ。具志堅氏は日本体操協会副会長。日本体操協会は、宮川紗江選手のコーチの暴力問題を機に塚原夫妻(でわかるようになっているので役職等は省略)のパワハラ疑惑で盛り上がっている。

 「糾(あざな)える縄の如し」という言葉が浮かんだが、それは「吉凶」とか「禍福」とかのことをいう喩えだと広辞苑が言っているので、別な表現をするならば「出来の悪いしりとり」か。体操→宮川→塚原→具志堅→日体大。

 体操の前はボクシング、その前は日大アメフト部で合っているだろうか。日大アメフト部の騒動がワーワーすごかったときに、「日体大に抗議電話が殺到 うちは日大じゃなくて日体大です」みたいな記事を見かけたから、日大から始まったスゴロクがいろいろ回って日体大にゴールしたという喩えもあるかもしれない。あ、レスリングが日大の前にあったな。

 って、スポーツ界、どうなってますか――?

 と、書いたけれど、どうなっているかは大体もうわかっている。

 世間の「アウト」が長く「セーフ」だった。だけど、いろいろを経て、「アウト」を排除しよう、「アウト」を告発しようという機運が高まっている。とはいえ、同じ穴のムジナなところがあるから、アウトを排除しようとする側もアウトだったり。

 その典型が「体操」で、「コーチによる暴力」を指摘したら、指摘された側が「協会幹部からのパワハラ」で反撃し、それを指摘された側が「権力闘争」と反撃している。

 やれやれ。

 村上春樹になってしまうので話を変えるが、大坂なおみ選手はすごい。

大坂なおみの水面下の努力

 「男女を通じて初めて、テニスの4大大会シングルス優勝」ということで、歴史に名前を刻んだ。これからどんどん勝って「強い大坂伝説」が積み重ねられるに違いない。そして、そのたびに大坂選手の「試合後インタビュー」が見られる。とても楽しみだ。

 可愛いから? もちろんそれもある。優勝決定後、「おやすみなさーい」と締めくくる彼女のインタビューをヘビロテで見たが、確かに可愛い。でも私がひかれるのは、

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