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だから私の職業はミュージシャン!【動画あり】

韓国伝統音楽の若手先駆者ミン・ヨンチは、PSYもISSAもみんな友達

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家

拡大韓国の伝統打楽器チャンゴを演奏するミン・ヨンチ(以下、写真は筆者提供)
 人間国宝である私の師匠はもうお亡くなりになった。もともとは李王朝の雅楽部にいらっしゃった。日本で生まれ育った私にだけ、日本語で稽古をしてくださった。「久しぶりに日本語を使いたい」とおっしゃっていた。よほど厳しく学んだのだろう。綺麗な日本語だった。

 師匠は常々、「音楽性よりも先に人間性を高めなさいという」と指導されていた。そのもとで修業を重ねたことは、私にとって大きな喜びだ。

 今の世では、教育者や文化人よりも、お金を稼ぐ人たちが尊敬される。世界中がだんだんお金至上主義になっている。非常に危うい気がする。人間性はどこへ行くのか、そこに寛容さはあるのか。

 「人間性を高めなさい」と教える韓国伝統音楽業界でも、熾烈な競争はある。地位や名誉を奪い合う。出る杭を打ちまくる。

 韓国は「教授」という職業が大好きだ。教授は神様のように扱われ、教授になると人格まで変わる人も少なくない。そこが人生のゴールみたいに思っている人もいる。

 ある年齢まで真面目なミュージシャンだった人たちが、教授になると急に性格も変わることもよくある。

 教授だけではない。医者も、弁護士も、みんな大好きだ。お金が儲かるのだ。

 娘が通う公立小学校の授業参観で、先生が「大きくなったら何になりたい?」とたずねると、子どもたちは「医者」「弁護士」と答えた。このふたつの回答ばかり。びっくりだ。

 そのなかでひとり「歌手」と言ったのは、私の娘だった。先生は「どうして?」と驚く。娘は「みんなに幸せをあげたいから」と答える。

 娘よ! なんて純粋なんだ! サランヘヨ!!

音楽に争いはない。音楽をやっていて、本当に良かった!

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筆者

ミン・ヨンチ

ミン・ヨンチ(閔 栄治) ミュージシャン 韓国伝統音楽家

大阪生まれ。幼少の頃からブラスバンドやドラムを経験し、高校から韓国へ。旧李王朝雅楽部養成所であった国立国楽高等学校に入学、ソウル大学音楽学部国楽科卒。1992年サムルノリ競演大会個人部最優秀賞。1992年国楽室内管弦楽団「スルギドゥン」に入団。1993年スーパー・パーカッション・グループ「PURI」創団メンバー。イ・ムンセ(歌手)のテレビ番組にも出演。現在も韓国伝統音楽とジャンルの違う音楽とのコラボレーションに活動中で、2009年に立ち上げた公演「新韓楽」ではジャズとコラボ―レーションした。日韓両国で数多くの公演。アルバム「HANA」(2015年/ユニバーサルミュージック・ジャパン)をリリース。ライブでは日本全国3万人を動員。国楽管弦楽の作曲にも力を入れ、2014年韓国文化芸術委員会で作曲賞受賞。「大衆に楽しんで聞いてもらえる楽曲作り」を目指す。

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