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百名ヒロキ×矢吹世奈インタビュー/上

『見渡す限りの卑怯者』6年ぶりの再演

真名子陽子 ライター、エディター


拡大百名ヒロキ(右)と矢吹世奈=冨田実布撮影

 ジェットラグプロデュース『見渡す限りの卑怯者』に、ミュージカルなどで大活躍の百名ヒロキと今年3月に宝塚歌劇団を退団した元男役の矢吹世奈が出演することが発表になった。同い年という二人に話を聞いた。

物語は……
ある事件を起こした権田(百名ヒロキ)は立件され、精神鑑定を受けた。そして国際医療センター新田芽(あらため)支所病棟に措置入院することになる。東京都下の山間にあるこの病棟は、精神疾患の患者たちが生活する隔離病棟だった。権田はそこで坂東(大森博史)に出会う。坂東は言った「俺以外はみんな頭がいかれた連中だ。俺の言うことだけを信じろ」 と――。

 作・演出は箱庭円舞曲の古川貴義、他の出演者には、大森博史、伊達 暁、永宝千晶(文学座)、谷川 聖(AKB48)という多彩な顔触れがそろった。百名は主人公の芸術家・権田、矢吹は権田の担当医を演じる。

 二人はこの日が初顔合わせだったが、楽しい雰囲気でインタビューが行われた。ネタバレになるので役柄については核心に触れられない中、この作品が持つ表現者としての苦悩について、役作りや悩んだ時の解決方法などについて語ってもらった。

自分も卑怯なことをしてるのかも、とか……

拡大百名ヒロキ(右)と矢吹世奈=冨田実布撮影

――台本を読まれたそうですが、まずはその感想をお願いします。

百名:どういう舞台になるんだろうと思いましたし、すごく稽古が楽しみになりました。ネタバレになってしまうので、僕の役について詳しく話せないのですが、とてもミステリアスな人物で、サスペンスの要素もあるのですごく楽しみですし、気合十分です!

矢吹:最初は難しいなと思ったのですが、読み進めていくうちにいろいろ紐解けていく感じがとてもおもしろくて、見るたびに発見がある作品なんじゃないかなと思いました。演じる側も毎回、感覚がいろいろと変わっていくのかなとも思いましたね。

――私も読ませて頂いたのですが、物語の構成と言いますか視点がおもしろいなと思いました。

百名:そうですね。読みながらいろんな疑問点が出てきたので、それを早く脚本・演出の方に聞いてみたいです。

――それはどんな疑問点なんでしょう?

百名:僕が演じる役をどう表現するか? その人格はどこから生まれたものなのか? くわしく語れないのが残念なのですが……。この人は一体?って混乱するかもしれないところがおもしろいですよね。

矢吹:確かに、役のつかみどころがわからなくて、誰が卑怯者なんだろう?と思いました。それぞれのキャラクターも個性的ですし、院長も強烈なので負けないように演じたいです。

拡大百名ヒロキ(右)と矢吹世奈=冨田実布撮影

――台本を読ませてもらって、どうやって役作りをされるんだろうと思いました。いつもはどんな風に役作りを?

百名:読んだときの第一印象を大事にするんですけど、実際に稽古で演じてみると違ったりするので、やはり稽古数が必要になってくるんです。稽古の数をこなして自分のものにしていきます。

矢吹:台本を読んで役のイメージは広がっていくんですけど、やはり芝居は相手ありきで、相手の方の芝居によって自分が演じる役のイメージが崩れるときがあるんです。それがとても楽しくて、あぁ、そういう風にこられるんだ、じゃ自分の役は……と変化していきます。この作品は芝居なんですけど、テンポの良い掛け合いが多いので、そういうところも魅力かなと思います。そのテンポを大事にしたいので、あまり作り込みし過ぎないように臨もうと思っています。本番が始まっても、毎公演新鮮に相手の反応や温度感を感じながら集中して演じたいと思います。

百名:そう、映画みたいな感じもするし、小劇場なのでそのテンポ感は大事にしたいですね。

――題名が『見渡す限りの卑怯者』。みんなが卑怯者……?

百名:気になりますよね。単純にカッコいいタイトルだなと思いました。

矢名:みんな卑怯者なのか? 謎めいた印象もあります。

――そもそも卑怯ってなんでしょうね(笑)。

百名:(笑)。みんなが卑怯者って言ってるので、悪いことなのかなと思うし――みんなそうなら、自分も卑怯なことをしてるのかも、とか……。

矢吹:自分にもそんなところあるかもって、読みながらドキッとしました。お客さまもそんなことを感じられるかもしれませんね。

◆公演情報◆
ジェットラグプロデュース『見渡す限りの卑怯者』
2019年3月19日(火)~3月24日(日) 東京・あうるすぽっと
※一般発売 2019年2月2日(土) 10:00~
お問い合わせ:ジェットラグ info@jetlag.jp
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:古川貴義
[出演]百名ヒロキ、大森博史、伊達 暁、永宝千晶(文学座)、矢吹世奈、谷川 聖(AKB48)
 〈百名ヒロキプロフィル〉
2017年『ボクが死んだ日はハレ』で舞台デビュー。現在、ミュージカル『タイタニック』出演中。主な出演作品は、ミュージカル『マタ・ハリ』、『GANTZ:L -ACT&ACTION STAGE-』『終わらない世界』『マクベス〜謀略の城』。12月には『ダブルフラット』への出演が決まっている。
百名ヒロキオフィシャルブログ
〈矢吹世奈プロフィル〉
2011年、宝塚歌劇団入団。花組に配属。ダンスを武器に新人公演では主要な役どころを演じ、『エリザベート』では少年ルドルフに抜擢される。2018年3月に退団。9月にはファーストライブ『S-LIVE2018』を開催した。10月~11月『シェイクス』、2019年1月~2月『ベルサイユのばら 45』への出演が決まっている。
矢吹世奈オフィシャルブログ

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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