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ミュージカル『TOP HAT』制作発表会見

坂本昌行と多部未華子で心ときめくロマンティック・ラブストーリー

真名子陽子 ライター、エディター


拡大左から、ビル・ディーマー、朝海ひかる、多部未華子、屋良朝幸、浅野和之、坂本昌行、益岡徹、マシュー・ホワイト=冨田実布撮影

 11月5日から東京と大阪で上演されるミュージカル『TOP HAT』の制作発表会見が行われ、坂本昌行、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之、そして演出のマシュー・ホワイト氏、振付のビル・ディーマー氏が登壇した。

 ミュージカル映画を代表するフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが主演した映画『トップ・ハット』が原作で、映画の魅力はそのままに、ダンスや音楽の躍動感あふれる舞台版として、2011年にミュージカル『TOP HAT』がイギリスで上演された。2015年には宝塚歌劇団宙組で上演され、今回は英国オリジナルクリエイター陣による日本人キャスト版となる。

物語は――
ブロードウェイで活躍するミュージカルスター、ジェリー・トラヴァース(坂本昌行)は、英国人プロデューサーのホレス(益岡徹)に招かれて、ロンドンの舞台に立つことに。ホテルの部屋でタップダンスに興じていると、階下の部屋に泊まるモデル、デイル・トレモント(多部未華子)が苦情を言いにくる。デイルに一目ぼれしたジェリーは得意の歌とダンスで恋心を伝える。心を通わせていくふたりだったが、ちょっとした行き違いから、ジェリーを友人マッジ(朝海ひかる)の夫(=ホレス)と勘違いしたデイルは、衣装デザイナーのアルベルト(屋良朝幸)と結婚してしまう。デイルの後を追いイタリアへ向かうジェリー――。ホレスの執事、ベイツ(浅野和之)の探偵行動も相まって大騒動へ。果たして、二人の恋の行方は…?

コミカル、スタイリッシュ、チャーミング、ロマンチックのコンビネーション

――マシュー氏へ。ミュージカル『TOP HAT』の魅力は?

マシュー:とてもコミカルで、スタイリッシュでチャーミング、かつロマンチックであるというこの4つのコンビネーションだと思います。もちろん素晴らしい振り付けもありますし、当時の有名な作曲家であったアーヴィング・バーリンの素晴らしいスコアというのも素敵な要素だと思います。非常に悲しい出来事がおこる今の社会、そういった現実とはまったく違う世界です。この明るく軽妙で楽しいコメディの世界をご覧頂くことによって、そんな現実から少しでも逃避して頂ける作品になるのかなと思っています。

――今回の日本人キャストの印象は?

マシュー:世界で一番のキャストだと思います。この作品は本当にキャスティングが難しいんです。歌えて踊れて、そして演技もできないといけない。素晴らしい皆さんとこれから稽古を始められることを楽しみにしています。実は昨日、私とビルは稽古初日だったのですが、本読みだけでなく歌も入れてやりました。それがとても素晴らしくて、本読みでこれだけ素晴らしいのですから、これからより良い作品になっていくと確信しています。

――ビル氏へ。華麗なダンスシーンが見どころですが、その中でも特に見て欲しいシーンは?

ビル:この作品は1930年代を彷彿とさせるたくさんの演出があります。タップダンスあり、社交ダンスあり、ジャズダンスもあり、そしてミュージカルの振りもあります。これらは現代の方たちが見てもお楽しみ頂けると思います。映画にあるトップハットに燕尾服を着た素敵な男性たちが一列に並んで出てくるというあの気品、そしてエレガンスなスタイル、それを見て頂けるだけでも素晴らしいと思います。

100%の喜びと100%の怖さを感じた

 

――坂本さんは最初にこの作品のお話が来た時は何を思いましたか?

坂本:来日公演を観た時に素晴らしいというか、コミカルなのに非常にお洒落な作品だなというのを感じました。漠然とこの作品に出られたらいいなと思っていた矢先に出演のお話を頂き、100%の喜びと100%の怖さを感じました。フレッド・アステアのあの軽やかなステップはおそらく彼にしかできないと思っています。それを自分がやるとなった時に、どこからスタートして良いのか、どう練習していいのか……。タップをまた一から練習してみようというところから始まりましたが、素直にこの作品を楽しむことができていますし、これから稽古を重ねる度に、より深く愛せる作品になるかなと思っています。

――ダンスのレッスンはいかがですか?

坂本:ひと言でいうと、大変です。フレッド・アステアの映像を見た方はわかると思うのですが、どう踏んで音を出しているのか、理解不可能だと思うんです。高速ステップというか軽やかなステップの中に、実は非常に激しいステップが組み込まれています。その激しさを出さずに華麗にやるというのは、やはり非常に難しいです。

感情の流れに沿って振りや歌詞がついている

――多部さんは出演が決まった時、何を感じられましたか?

多部:今年の初めに、この作品に参加できたらいいなという思いでオーディションを受けてはみたものの、決まってからは不安と怖さと自信がないのと……ネガティブな感情しか生まれていません。

(一同笑)

多部:もっと前向きに自信を持ってできるようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。

――デイル役をどのように演じたいと思っていらっしゃいますか?

多部:登場人物の中で一番感情の波が揺れ動くのがデイルだと思っています。その表現をうまくできたらいいなと思いますが、その中に踊りがあったり歌があったりします。その踊りや歌の中にも、デイルの感情の流れに沿って振りや歌詞がついていますので、トータルで感情の流れが出るように表現していけたらいいなと思っています。

拡大屋良朝幸=冨田実布撮影

――屋良さんにとってアルベルトはどんな役柄ですか?

屋良:情熱的でとてもナルシスト。自分が一番自分を愛しているというキャラクターです。やはりこの仕事をしていく上でナルシストな部分は多少なりともあると思うんです。僕自身、そういうキャラクターには見られませんが、小さなナルシストな部分を存分に大きくして、このアルベルトという役を作っていけたらいいなと思っています。

スフレのように軽やかで空気がいっぱい入って柔らかくてふわっとした作品

拡大朝海ひかる(右)、益岡徹=冨田実布撮影

――朝海さんと益岡さんは夫婦役を演じられますが、どんな夫婦関係なのか教えてください。

益岡:ホレスはマッジと結婚するまでジェリーといろんな遊びを共有していたのですが、何かが終わってしまったという表現があるように、夫婦関係の主導権は完全にマッジが持っていて、ホレスは翻弄されたり、うろたえたりしているというような関係でしょうか……。

――朝海さんはどんなふうに臨みたいと思っていらっしゃいますか?

朝海:本読みをした時にマシューさんからアドバイスを頂いて、テンポを大事にしていきたいなと思いました。言っている自分がだんだん興奮していくような楽しいセリフになっていますので、そのまま脚本に預けたいと思っています。

益岡:マシューさんが作品の世界観をアドバイスしてくださって、セリフの応酬があったり、どんでん返しがあったりするけれど、スフレのようだとおっしゃったことがすごく印象に残りました。軽やかで空気がいっぱい入って柔らかくてふわっとしたもの、そういうものをお客様に伝えることができたらなと。難しいことかもしれないですが、挑戦したいなと思います。

拡大浅野和之=冨田実布撮影

――浅野さん演じるベイツ役は大変不思議なキャラクターと伺っていますが、どんなキャラクターでしょうか?

浅野:自分の役だけ踊らなくて良かったと思っています。

(一同笑)

浅野:ぼーっとした雰囲気なんですが、非常に相手の心を読むのに長けています。益岡さん演じるホレスの執事の役なんですけれども、彼がちょっとしたことで助けを求めた時でも迅速に対応できる非常にパーフェクトな執事だと僕は思っています。

「ここにもミュージカルスターが一人いた」

――坂本さんと多部さん、それぞれ相手役に決まった時の印象は?

坂本:映像で見る印象が強く、ミュージカルの印象に繋がらなかったんです。でも、今年3月の振り付けの時に時間を共にしたのですが、僕の想像を簡単に超えて、「ここにもミュージカルスターが一人いた」とびっくりしました。印象を180度変える多部ちゃんがそこにいました。

多部:坂本さんが出演されたミュージカルを拝見させて頂いたことがありましたので、大きなミュージカルの舞台に立つことに慣れていらっしゃる大先輩というイメージでした。今回はペアで踊るのが本当に多いので、これから本番まで頼りまくって、たまに坂本さんのせいにしたりとかして(笑)、身を任せるつもりでいます。

拡大坂本昌行(右)、多部未華子=冨田実布撮影
――すでに稽古が始まっているということですが、お二人の呼吸はぴったりでしょうか?

坂本:多部ちゃんが何事にも動じずに常にニュートラルでいてくれる方なので、僕もリラックスできて非常に稽古が楽しいです。これからお芝居が進む中で、その自然な空気の中でお芝居をやっていけたら楽しいだろうなと思いました。

――多部さんは?

多部:まだちょっと感じていないんですけど……(笑)。

(一同笑)

多部:今日はちょっと疲れたなとか、本当に些細な事でも言い合えるような関係性になれたら、もっともっとより良いものが生まれるんじゃないかなと思いますので、自然に話しかけられるようになれたらいいなと思っています。

――多部さん、実際に羽のついた衣装(チラシの衣装)を着た感想は?

多部:「チーク・トゥ・チーク」という大ナンバーで踊る素敵なドレスなのですが、すごく重いんです。あの重たいドレスを着て回ったら客席に落ちるんじゃないかなという不安しか今はなくて……。素敵なドレスを着て踊るシーンを見てと言いたいところなのですが、今はまだ……本当に、どうしようと……。

(一同笑)

多部:今はネガティブなことしか出ないんですけれど、がんばりたいなと思っています。

◆公演情報◆
ミュージカル『TOP HAT』
2018年11月5日(月)~11月25日(日) 東京・東急シアターオーブ
2018年12月1日(土)~5日(水) 大阪・梅田芸術劇場 メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作詞・作曲:アーヴィング・バーリン
原作:映画『トップ・ハット』(RKO制作)
原作脚本:ドワイト・テイラー アラン・スコット
脚色:マシュー・ホワイト ハワード・ジャック
演出:マシュー・ホワイト
振付:ビル・ディーマー
[出演]
坂本昌行、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之 ほか

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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