メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

朝海ひかるインタビュー/上

ミュージカル『TOP HAT』、英国版オリジナルスタッフと日本人キャストで上演

大原薫 演劇ライター


拡大朝海ひかる=冨田実布撮影

 ミュージカル『TOP HAT』に朝海ひかるが出演する。『TOP HAT』はハリウッド・ミュージカル映画を代表するフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースが主演し、1936年に日本でも公開した映画『トップ・ハット』をもとに、映画の魅力はそのままに、ダンスや音楽、躍動感あふれる舞台版として2011年に英国で初演された作品だ。主人公カップルによるデュエットダンスやタップダンスなど、圧巻のステージパフォーマンスとアーヴィング・バーリンの華麗な音楽が舞台を彩る。

 2013年にイギリスで上演され、「英国ローレンス・オリヴィエ賞」で新作ミュージカル賞、振付賞、衣裳デザイン賞の3部門を受賞し、2015年9月には初来日して好評を博した。演出のマシュー・ホワイトなど英国オリジナルスタッフと日本人キャストの組み合わせで、この度初上演が決定した。

 主演は坂本昌行。多部未華子、屋良朝幸、益岡徹、浅野和之ら実力派キャストが揃う中で、朝海ひかるが演じるのはマッジ。ブロードウェイのミュージカル・スター、ジェリー(坂本昌行)はロンドンのホテルで出会ったモデルのデイルに一目ぼれし、得意の歌とダンスで恋心を伝える。やがて心を通わせていくふたりだったが、ひょんな行き違いから、デイルはジェリーのことを友人マッジ(朝海ひかる)の夫(=ホレス)と勘違いしてしまう……というストーリーだ。ミュージカルへの出演は2年ぶりという朝海に意気込みを聞いた。

オーディションの場で「君にお願いするよ」と言われたんです

拡大朝海ひかる=冨田実布撮影

――『TOP HAT』という作品はご存知でしたか?

 映画と来日公演を見ていました。映画はフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのダンスがとにかく素晴らしくて。来日公演を見たときは、あまりの色のカラフルさと群舞のダイナミックさに圧倒されました。一人一人のキャラクターが更に肉付けされて、とても楽しいコメディドラマになっていました。お話はもちろん楽しめましたし、そのうえみごとな音楽とデュエットダンスや群舞も迫力があり、「こんなに素晴らしいミュージカルがあるんだ」と今更ながらに感じました。

――では、出演のお話が来たときは「すぐに出たい!」と思われた?

 まず、オーディションがあったんです。演出家のマシュー(・ホワイト)と振付家のビル(・ディーマー)が来日していて、お二人の前で演じたり歌ったりしました。オーディションはとても緊張したのですが、それ以上に「あの『TOP HAT』を作った方たちに会えるんだ!」と思って(笑)。お会いできたことだけでも光栄で、そんなウキウキした気持ちでオーディションを受けてしまったんです。

――それがよかったのかもしれませんね(笑)。

 そうなんでしょうか(笑)。オーディションを終え、帰ろうと廊下へ出たところに呼び止められ、「君にお願いするよ」と仰っていただいたんです。終わった直後で、ホッとして「あぁ、何かすごく楽しかった」と思い帰る途中だったので、びっくりしましたし、嬉しくて飛び跳ねて喜びました。

◆公演情報◆
ミュージカル『TOP HAT』
2018年11月5日(月)~11月25日(日) 東京・東急シアターオーブ
2018年12月1日(土)~5日(水) 大阪・梅田芸術劇場 メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作詞・作曲:アーヴィング・バーリン
原作:映画『トップ・ハット』(RKO制作)
原作脚本:ドワイト・テイラー アラン・スコット
脚色:マシュー・ホワイト ハワード・ジャック
演出:マシュー・ホワイト
振付:ビル・ディーマー
[出演]
坂本昌行、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之 ほか
〈朝海ひかるプロフィール〉
1991年、宝塚歌劇団へ入団。2002年、雪組男役トップスターに就任。2006年『堕天使の涙/タランテラ』にて退団。退団後は、ミュージカル、ストレートプレイ、映像などで活躍中。最近の主な出演作品に、『黄昏』『黒蜥蜴』『ローマの休日』『私はだれでしょう』『幽霊』『CHICAGO』などがある。2019年1月~『ベルサイユのばら45』へ、4月に新国立劇場2018/2019シーズン演劇『かもめ』への出演が決まっている。
朝海ひかるオフィシャルファンクラブ

・・・ログインして読む
(残り:約1588文字/本文:約3364文字)


筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

大原薫の記事

もっと見る