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朝海ひかるインタビュー/下

ミュージカル『TOP HAT』、英国版オリジナルスタッフと日本人キャストで上演

大原薫 演劇ライター


朝海ひかるインタビュー/上

大所帯の華やかな現場は久しぶり

拡大朝海ひかる=冨田実布撮影

――相手役の益岡さんはいかがですか。

 昔から舞台や映像で拝見していて、とても素敵な方だなというイメージがありました。益岡さんとご一緒された皆さんが「素晴らしい方」だとおっしゃって、「益岡さんと夫婦役なんて、いいね」と羨ましがられています。制作発表が始まる前、舞台裏の足元がよくないところを移動しているときも「大丈夫?」と腕を支えてくださったんですよ。とても優しい方で、毎日益岡さんに会って癒やされています。

――主演の坂本昌行さんはいかがですか。

 昨日、歌が入った本読み稽古をしたのですが、ジェリー役の雰囲気そのままの、甘い素敵な声で歌われるんです。皆さんに気配りされている姿を見ると、意識していなくても座長としての風格を持っていらっしゃる方だと感じ、安心して坂本さんについていこうと思いました。

――では、座組全体も坂本さんを中心にいい雰囲気でまとまってらっしゃる?

 そうですね。今回はタップなど特殊な技能を要する作品なので、皆さんとても真摯に稽古に取り組んでいます。きっと初日には素敵なダンスナンバーになるのではないかと思います。

――宝塚退団後、朝海さんはミュージカルのみならず、ストレートプレイにも多く出演されています。最近で考えるとストレートプレイの方が多いかもしれません。

 そうなんですよ。ミュージカルに出るのは『CHICAGO』以来です。だから2年ぶりかな。

――それは意識的にそうされている?

 そうではなくて、お声をかけていただいた作品に出演していたらたまたまこうなっただけなんです。だから、大所帯の華やかな感じが久しぶりなので、ちょっとだけドキドキしています(笑)。先日は、八千草薫さんが主演された舞台『黄昏』に出ていましたが、出演メンバーが6人だったんです。いきなり人が多くなって、自分がどこにいたらいいのかわからない。今の段階では自分の居場所探しをしています(笑)。

――それは、宝塚時代とは大きく違うところですね。

 そうですね、メンバーが同じで、「私の位置はここ」と決まっていて、そういう面で迷うことはないです。今は毎公演、ご一緒する方が違いますし、規模も作品の内容もすべて変わっていくので。 

◆公演情報◆
ミュージカル『TOP HAT』
2018年11月5日(月)~11月25日(日) 東京・東急シアターオーブ
2018年12月1日(土)~5日(水) 大阪・梅田芸術劇場 メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作詞・作曲:アーヴィング・バーリン
原作:映画『トップ・ハット』(RKO制作)
原作脚本:ドワイト・テイラー アラン・スコット
脚色:マシュー・ホワイト ハワード・ジャック
演出:マシュー・ホワイト
振付:ビル・ディーマー
[出演]
坂本昌行、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、益岡徹、浅野和之 ほか
〈朝海ひかるプロフィール〉
1991年、宝塚歌劇団へ入団。2002年、雪組男役トップスターに就任。2006年『堕天使の涙/タランテラ』にて退団。退団後は、ミュージカル、ストレートプレイ、映像などで活躍中。最近の主な出演作品に、『黄昏』『黒蜥蜴』『ローマの休日』『私はだれでしょう』『幽霊』『CHICAGO』などがある。2019年1月~『ベルサイユのばら45』へ、4月に新国立劇場2018/2019シーズン演劇『かもめ』への出演が決まっている。
朝海ひかるオフィシャルファンクラブ

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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