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トップ就任1年 ダ・ヴィンチ役挑戦/真風涼帆

【宝塚~朗らかに~】「異人たちのルネサンス」公演

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・10月25日紙面(東京本社発行版)より】

拡大宙組公演に主演するトップ真風涼帆(撮影・上山淳一)
 20周年の宙組8代目トップ真風涼帆(まかぜ・すずほ)は、兵庫・宝塚大劇場で、トップ本拠地2作目「白鷺(しらさぎ)の城」「異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-」で、就任後初のオリジナル作に臨んでいる。就任約1年を長く感じたといい「濃厚」と表現。充実期へ向かう宙組を率いて進む。宝塚公演は11月5日まで、東京宝塚劇場は同23日開幕。

 明朗、かつ快活。輝く笑顔だ。「まさか自分が、誰もが知るダ・ヴィンチを演じるとは…。ビックリ、衝撃でした!」。芝居では、天才芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチにふんしている。彼の創作の源は、ある女性への愛にあったと仮定し、つづる愛憎劇だ。

 「絵を描く趣味は…全然ないですね。小、中学の写生以来ないです(笑い)。(絵画)鑑賞の趣味もない。(演出の)田渕(大輔)先生は『ぴったり』とおっしゃってくださいましたけど、全然、分からなくて」

 役柄で芸術家になるのも初めてだった。人物を調べ、役柄を研究。彼の探求心に感心し、共感も覚えた。

 「努力なくして、素晴らしい絵が描けたわけではない。鳥ひとつ、描くために生物学を学んだり。才能と同じだけか、それ以上の努力をされていた」

 絵を描く際、どこから筆を入れるのか、細部にもこだわって調べた。彼は左利きを矯正し、両手を使っていたことも知った。真風自身は右利きだけに、稽古場では、描く場面の姿勢にも苦慮していた。

 「田渕先生が左利きで、先生を見て(腕などの)角度、ノートに書く姿とか見て。私もたまに、違和感をなくそうと思って左手で線を描いてみたりしました」 真風自身、子供のころは「自由に束縛されずに」育ってきたといい、「壁にぶち当たった経験」は、宝塚に入団した後だった。

 男役としては恵まれた体格、早くから抜てきされたゆえに「入団後は技術や体格、自分自身に対してコンプレックスだらけだった。今でも毎回、壁だらけです」と語る。稽古で課題に取り組み、作品で成長する主人公を演じ、自らにも取り入れてきた。今作のダ・ヴィンチを通しても、新たに吸収することは多い。

 さらに今回、2本立てのショーは、真風にとって久々の和物。転生を繰り返す陰陽師(おんみょうじ)・安倍泰成と妖狐(星風まどか)の宿縁を表現する。

 「オーソドックスでなおかつ、斬新、新しさもある作品。陰陽師をテーマにした映画も見ました」

 本拠地2作目。がむしゃらさより「もっともっと、自分自身が成長して、大きくなっていかないと」との気持ちが強まっている。

 「周りのみんなにいい意味で甘えて、委ねて、力を借りて、新しい宙組の魅力を出せるようにしたい」

 思いは組子に伝わる。稽古場や公演前の楽屋は「酸素が薄くなるぐらい、みんなのエネルギーがすごい」と笑った。

◆-本朝妖綺譚-「白鷺(しらさぎ)の城」(作・演出=大野拓史氏) 陰陽師(おんみょうじ)・安倍泰成(真風涼帆)と、人心を惑わす妖狐(星風まどか)が、転生を繰り返しながら、ひかれあう宿縁を描く和物レビュー。

◆ミュージカル・プレイ「異人たちのルネサンス-ダ・ヴィンチが描いた記憶-」(作・演出=田渕大輔氏) 舞台は15世紀のイタリア。レオナルド・ダ・ヴィンチの創作の源が、ある女性への愛であったと仮定。彼を取り巻く人々との愛憎を描く。若きダ・ヴィンチは、ルネサンス芸術を開花させたロレンツォに擁護され絵を描いていた。ある時、ロレンツォの愛人カテリーナが幼なじみと知る。

☆真風涼帆(まかぜ・すずほ)7月18日、熊本県生まれ。06年入団。星組配属。新人公演に5回主演。15年5月に宙組。16年「エリザベート」でフランツを好演。昨年11月、朝夏まなとの後任として宙組トップ。今年1月に「ウエスト・サイド・ストーリー」でトップ初主演、3月に人気漫画を原作にした「天は赤い河のほとり」で本拠地お披露目。身長175センチ。愛称「ゆりか」「すずほ」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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